日本のパスポートでイギリスへ短期渡航する場合、出発前にETA(Electronic Travel Authorisation/電子渡航認証)を取得しておく必要があります。申請はスマートフォンのアプリかブラウザから行いますが、入力画面はイギリスの住所様式で作られているため、日本の住所をどの欄に入れればいいのか迷いやすいところです。この記事では、日本の住所をイギリスの住所欄に振り分ける方法を記入例つきで整理します。なお、対象者・料金・有効期間といった制度の条件は改定されることがあるので、申請の直前に公式の案内で確認してください。
ETAの手続きで住所を書く場面は3つある
混乱しやすいのは、住所を書く場面が1つではないことです。
- 1申請フォームの自宅住所(home address):日本の自宅を英語で書きます。連絡先としての情報です。
- 2支払いのカード請求先住所(billing address):申請料の決済で聞かれます。カード会社に登録した住所と一致している必要があります。
- 3入国審査で聞かれる滞在先:申請フォームではなく、到着後に口頭やスマートフォンの予約画面で示す場面です。ホテルの英語住所を用意しておきます。
1と2は「日本の自宅」、3は「イギリス側の宿泊先」です。この区別を最初に押さえておけば、どの欄に何を入れるかで迷わなくなります。請求先住所そのものの考え方はbilling addressで決済が弾かれる理由にまとめています。
日本の住所をETAの入力欄に振り分ける記入例
日本語:〒108-0075 東京都港区港南2-16-3 サンハイツ405号室
- Address line 1
- 2-16-3 Konan
- Address line 2
- #405 Sun Heights
- Town or city
- Minato-ku
- County / State / Province
- Tokyo
- Postcode / ZIP code
- 108-0075
- Country
- Japan
並べ方の原則は、日本語の住所を小さい単位から先に書くことです。丁目・番・号はハイフンでつないで「2-16-3」とし、町名(Konan)をそのあとに続けます。番地の分解のしかたは番地・丁目の英語表記で詳しく説明しています。
入力はすべて半角にしてください。全角の数字やハイフン、全角スペースが1文字混ざっているだけで、フォームが保存できなかったり、次の画面に進めなかったりします。
County欄には都道府県を入れる
イギリスの住所には「County(州・県に相当する行政単位)」という欄があります。日本の住所にそのまま対応するものはありませんが、実務上は都道府県を入れて構いません。東京都なら Tokyo、愛知県なら Aichi です。-to / -fu / -ken は付けません。北海道だけは「道」まで含めて Hokkaido と書きます。都道府県の英語表記は都道府県の英語表記一覧で確認できます。
入力欄が任意(optional)になっている場合は空欄でも進めますが、空欄にすると住所が市区町村までしか残りません。郵便物が届く形にしておく意味でも、都道府県は入れておくほうが無難です。
Town or city の欄には市区町村を入れます。東京23区は「Minato-ku」のように区名を入れ、市なら「Yokohama-shi」、町村なら「Karuizawa-machi」のように表記します。
マンション名と部屋番号の入れ方
Address line 2 は建物名と部屋番号を入れるための欄です。「サンハイツ405号室」なら「#405 Sun Heights」と書きます。号室は「#」を使うのが一般的で、Room 405 や Apt 405 でも通じます。
Address line 2 が無いフォームや、文字数の上限に引っかかる場合は、Address line 1 にまとめて「#405 Sun Heights, 2-16-3 Konan」と1行で書いても問題ありません。マンション名が長いときは、建物名を省いて部屋番号だけ残す(#405, 2-16-3 Konan)ほうが、途中で切られて意味不明な文字列になるより確実です。集合住宅の書き方はアパート・マンション名の英語住所にまとめています。
申請料の支払いで弾かれるとき
住所の書き方は合っているのに決済が通らない場合、原因は住所ではなくカード側にあることが多いです。
- 請求先住所の不一致:カード会社に登録している住所と、フォームに入れた住所が違うと止まります。引っ越し後にカード側の住所を更新していないケースが典型です。
- 3Dセキュア(本人認証)の未設定:本人認証の画面に進めず失敗します。カード会社のアプリやサイトで設定を確認してください。
- 海外決済の制限:カードの利用限度や海外利用のロックがかかっていると弾かれます。
- アプリとブラウザの違い:アプリでうまくいかないときは、ブラウザから同じ手続きを試すと通ることがあります。
カードを何度も試すと不正利用の疑いでロックされることがあります。2回続けて失敗したら、別のカードに替えるかカード会社に確認するほうが早いです。
滞在先の住所を聞かれたときの答え方
ETAの申請では滞在先の住所を求められない形式が多いのですが、入国審査では宿泊先を聞かれます。答え方は、ホテルの予約確認メールに書かれている英語の住所をそのまま読む・見せるのが一番確実です。日本語のサイトで予約した場合も、確認メールには英語表記の住所が併記されていることが多いので、渡航前にスクリーンショットを保存しておくと安心です。
複数の都市を回る場合は、最初の1泊分だけ示せば足りるのが通例です。友人宅に泊まる場合は、その住所と滞在中の連絡先を控えておきます。宿泊先が決まっていないまま入国しようとすると質問が長引くので、少なくとも初日の宿は押さえておくほうがスムーズです。滞在先の書き方はホテル宿泊カードの書き方も参考になります。
つまずきやすい入力の6点
- 1氏名がパスポートと違う:券面のローマ字と1文字も違わないように入力します。ミドルネームの欄は空欄で構いません。ローマ字の作り方は氏名のローマ字表記ガイドにまとめています。
- 2全角文字の混入:数字・ハイフン・アルファベットはすべて半角にします。
- 3スマートフォンの自動補完:日本語の住所を丸ごと補完してしまうことがあります。補完を使わず、用意した英語住所を貼り付けるほうが安全です。
- 4郵便番号の書式:ハイフンの有無はどちらでも通るのが通例ですが、弾かれたらハイフンを外して7桁だけを入れてみてください。
- 5電話番号:国番号を付けて「+81 90 1234 5678」の形にします。先頭の0は落とします。書式は日本の電話番号の国際表記で解説しています。
- 6パスポートを更新したとき:ETAはパスポートに紐づくので、パスポートを作り直したら取り直しが必要です。承認までに時間がかかることもあるため、渡航直前ではなく余裕をもって申請してください。
GlobalShipsで英語住所を自動生成
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。Address line 1 / Town or city / County / Postcode に分かれた形で出力されるので、ETAの申請画面にそのままコピーして貼り付けられます。変換はブラウザの中で完結し、入力した住所が外部に送信されることはありません。
まとめ
イギリスETAの住所入力は、①日本の住所を逆順の半角ローマ字にする、②County欄には都道府県を入れる、③建物名と部屋番号はAddress line 2へ、の3点で片づきます。住所そのものが審査を左右するわけではないので、正確さと半角であることを優先してください。同じ形式の申請としてはESTAの住所欄の書き方、オーストラリアETA・NZeTAの住所入力、カナダeTAの住所入力も同じ考え方で書けます。