オーストラリアのETA申請や、入国時に記入する様式で「オーストラリアでの滞在先」を求められることがあります。ここでつまずくのは、日本の住所を英語にする作業とは向きが逆だからです。書くのは自分の住所ではなく、オーストラリア側の住所を読み取って欄に振り分ける作業になります。この記事では、オーストラリアの住所がどういう構造になっているのか、どの部分をどの欄に入れるのかを記入例つきで整理します。なお、申請の要否・手数料・画面の項目名は変更されることがあるため、申請の直前にオーストラリア内務省の公式案内で確認してください。
大原則:予約確認メールの表記をそのまま写す
滞在先住所は、頭で組み立てるものではありません。ホテルや宿の予約確認メールには、必ず英語の住所が載っています。それをそのまま写せば、綴りも語順も間違えようがありません。
やってはいけないのは、日本語の観光サイトに載っている「サーファーズパラダイス、ゴールドコースト」のようなカタカナ表記を自分で英語に直そうとすることです。通り名の綴り(Street か Avenue か、単数か複数か)まで正確に合わせる必要があるので、必ず一次資料である予約確認メールを開いてください。
予約確認メールのどこに何が書いてあるかはExpediaの予約確認メールの見方にまとめています。
オーストラリアの住所は Suburb が中心
オーストラリアの住所で日本人が最も戸惑うのが Suburb(サバーブ)です。日本語では「郊外」と訳されますが、オーストラリアでは都市の中心部を含めた地区の名前を指します。「郊外=都心から離れた場所」という意味ではありません。
実際の住所は次の並びです。
123 George Street, Sydney NSW 2000
123 → 番地 George Street → 通り名 Sydney → Suburb NSW → 州の略称 2000 → 郵便番号(4桁)
日本の住所と違い、City(市)にあたる欄が出てこないことがよくあります。フォームに City 欄しかない場合は、そこに Suburb を入れて構いません。逆に Suburb 欄と City 欄が両方ある場合は、Suburb に地区名(Bondi、Surfers Paradise など)、City に都市名(Sydney、Gold Coast など)を入れます。
住所を「小さい単位から大きい単位」へ並べるのは日本の住所を英語にするときと同じ考え方です。基本の並びは日本の住所を英語で書く方法で解説しています。
州・準州の略称一覧
オーストラリアの州名は、住所ではほぼ必ず略称で書かれます。フルネームで書くと桁数チェックに引っかかる様式もあるので、略称を使ってください。
- NSW
- New South Wales(シドニー)
- VIC
- Victoria(メルボルン)
- QLD
- Queensland(ブリスベン、ゴールドコースト、ケアンズ)
- WA
- Western Australia(パース)
- SA
- South Australia(アデレード)
- TAS
- Tasmania(ホバート)
- ACT
- Australian Capital Territory(キャンベラ)
- NT
- Northern Territory(ダーウィン、エアーズロック方面)
迷いやすいのは Western Australia を「WAU」と書いてしまうケースです。2文字の WA が正しい表記です。また、ニュージーランドには州の概念がないため、NZ の住所にこの略称を使うことはできません。
郵便番号は4桁。先頭の0を落とさない
オーストラリアの郵便番号(Postcode)は4桁です。日本の7桁を入れると桁数エラーになります。
主要都市の郵便番号は次のとおりです。
- Sydney
- 2000
- Melbourne
- 3000
- Brisbane
- 4000
- Adelaide
- 5000
- Perth
- 6000
- Hobart
- 7000
- Canberra
- 2600
- Darwin
- 0800
- Surfers Paradise(ゴールドコースト)
- 4217
- Cairns
- 4870
注意すべきは Northern Territory(ダーウィン周辺)で、郵便番号が 0800 のように 0 から始まります。表計算ソフトにコピーすると先頭の 0 が消えて「800」になることがあり、そのまま貼り付けると 3 桁で弾かれます。必ず 4 桁になっているか目で確認してください。
Unit・Level・Shop のスラッシュ表記
オーストラリアの住所には、日本では見ないスラッシュの表記が出てきます。
Unit 5/123 George Street
これは「123番地の建物の5号室」という意味です。スラッシュの前が部屋番号、後ろが番地です。日本人はこれを見て「5丁目123番」のように読んでしまいがちですが、順序は逆です。
よく出る語は次のとおりです。
- Unit
- 集合住宅の1住戸(アパートの部屋に相当)
- Apt / Apartment
- Unit と同義で使われる
- Level
- 階(Level 3 は3階)
- Suite
- オフィスビルの区画
- Shop
- 商業施設内の区画
- Lot
- 区画番号(郊外や新興住宅地で使われる)
入力するときは、この表記をそのままの形で写すのが最も安全です。フォームが Address line 1 と Address line 2 に分かれている場合、Unit 5 を line 2 に切り出すよりも、Unit 5/123 George Street をまとめて line 1 に入れたほうが宿側にも郵便にも正しく伝わります。欄の意味そのものはAddress Line 1・Address Line 2とは?で解説しています。
フォームの欄への振り分け
「Unit 5/123 George Street, Surfers Paradise QLD 4217」を欄に振り分けると次のようになります。
- Address line 1
- Unit 5/123 George Street
- Address line 2
- (空欄で構いません)
- Suburb / Town
- Surfers Paradise
- City
- Gold Coast(City欄がある場合のみ)
- State / Territory
- QLD
- Postcode
- 4217
- Country
- Australia
すべて半角英数字で入力します。日本語キーボードのまま打つと数字やハイフンが全角になり、見た目では気づかないままエラーになります。スマートフォンのアプリから申請する場合は特に起きやすいので、英字キーボードに切り替えてから入力してください。
自宅住所(日本)と滞在先(オーストラリア)を取り違えない
申請の様式には住所欄が複数あります。ここを取り違えるのが最も多い事故です。
- 1居住地の住所(Residential address):日本の自宅です。逆順・半角ローマ字で入れます。
- 2滞在先の住所:オーストラリア側の宿泊先です。この記事で扱っている欄です。
1 には日本の住所、2 にはオーストラリアの住所が入ります。1 の書き方はオーストラリアETA・NZeTA申請の住所入力にまとめてあります。State 欄に日本の都道府県が出てこないときは、先に Country を Japan に切り替えると選択肢が入れ替わります。
滞在先が決まっていない・複数都市を回る場合
旅程が固まっていない段階で申請することもあります。
- 複数の都市を回る場合
- 最初に泊まる場所を書くのが一般的な埋め方です。全部を書き込む欄はありません。
- まだ予約していない場合
- 様式によっては空欄で進めないことがあります。その場合は、泊まる予定の都市名と、検討している宿の住所を入れておく形になります。
- 友人宅に泊まる場合
- 友人から住所を英語のまま送ってもらってください。口頭で聞いて書き起こすと通り名の綴りを間違えます。
- キャンピングカーで移動する場合
- 拠点にする都市名を入れる形になります。
いずれの場合も、様式ごとに空欄可否のルールが違います。入力を進められない欄が出てきたら、想像で埋める前に公式の案内を確認してください。同じ論点をアメリカのESTAで扱ったものがESTAの米国滞在先住所の書き方です。
GlobalShipsで日本の住所を先に用意しておく
オーストラリア側の住所は予約確認メールから写せますが、同じ様式で必ず聞かれる日本の自宅住所は自分で英語にする必要があります。GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換する無料ツールです。Address line / Suburb / State / Postcode の欄ごとに分かれた形で出力されるため、そのままコピーできます。
アプリからの申請は入力途中で戻れないことがあります。日本の住所とオーストラリアの滞在先住所の両方を、始める前にメモアプリへ貼っておくのが確実です。処理はブラウザ内で完結するので、住所が外部に送信されることはありません。
まとめ
オーストラリアの滞在先住所は、予約確認メールの英語表記をそのまま写すのが唯一の正解です。構造さえ分かっていれば振り分けは機械的で、Suburb には地区名、State には NSW・VIC・QLD などの略称、Postcode には4桁の数字が入ります。ダーウィン方面の 0800 のように先頭が 0 になる郵便番号だけは、桁が落ちていないか確認してください。日本の自宅住所と滞在先住所は別の欄なので、取り違えないことがいちばん大事です。
入国時の様式全般の書き方は入国カード(Arrival Card)の住所欄の書き方、日付欄が DD/MM か MM/DD かの見分け方は海外フォームの日付入力にまとめています。