オーストラリアのETA(Electronic Travel Authority)とニュージーランドのNZeTA(New Zealand Electronic Travel Authority)は、いずれも渡航前にオンラインで取得する渡航認証です。どちらもスマートフォンアプリでの申請が基本で、パスポートのICチップを読み取らせる方式のため、氏名やパスポート番号は自動で入ります。手入力が必要になるのは主に住所と連絡先です。この記事では日本の住所をどう入れるかを解説します。
住所欄の基本の振り分け
両国のフォームはほぼ共通の構造です。〒106-0032 東京都港区六本木3-12-5 森タワー205号室 なら次のように入れます。
- Address line 1
- 3-12-5 Roppongi
- Address line 2
- #205 Mori Tower
- Suburb / City / Town
- Minato-ku
- State / Province / Region
- Tokyo
- Postcode / Postal code
- 106-0032
- Country
- Japan
「Suburb」はオーストラリア・ニュージーランドで使われる区画の単位で、日本の住所では市区町村を入れます。東京23区は区名(Minato-ku)、政令指定都市は「Naka-ku, Yokohama-shi」とまとめると確実です。欄の意味はAddress Line 1・Address Line 2とは?で解説しています。
アプリ申請で気をつける点
アプリ経由の申請には、ブラウザのフォームと違う注意点があります。
- 1日本語キーボードのまま打つと全角になる:数字・ハイフンが全角だと弾かれます。英字キーボードに切り替えてから入力してください。
- 2自動補完に注意:スマートフォンの住所自動入力を使うと、日本語の住所がそのまま入ることがあります。必ず英字で入っているか目で確認します。
- 3パスポート読み取りに失敗する:ケースやカバーを外し、ICチップの位置(顔写真ページ)を端末に密着させます。
- 4顔写真の撮影:ETAでは自分の顔写真の撮影が求められます。明るい場所で、帽子・眼鏡を外して撮ります。
- 5通信が切れると最初から:入力途中で保存されない場合があります。住所の英語表記を先にメモアプリに用意しておくと安全です。
滞在先住所を聞かれる場合
申請時、または入国時の到着カードで、現地の滞在先を書くことがあります。ここは自分の住所ではなく宿泊先です。
オーストラリアの例: Address:123 George Street / Suburb:Sydney / State:NSW / Postcode:2000 州は略称(NSW=ニューサウスウェールズ、VIC=ビクトリア、QLD=クイーンズランド、WA=西オーストラリア)を使います。
- ニュージーランドの例
- Address
- 123 Queen Street / Suburb:Auckland Central / City:Auckland / Postcode:1010
いずれも予約確認メールに記載された住所をそのまま写すのが確実です。ホテル住所の扱いは海外ホテル予約の住所入力も参考になります。
氏名はパスポートの券面が正
アプリでパスポートを読み取ると氏名は自動で入りますが、手入力になる場面(航空券の予約情報との突き合わせなど)では券面どおりに書く必要があります。
- Family name
- ITO
- Given names
- RYUICHIRO
綴りが1文字違うと、認証と航空券・パスポートの照合ができず搭乗を断られることがあります。長音の扱いは人によって違うため、記憶ではなく必ず券面を確認してください。詳しくは日本人の氏名をローマ字で書く方法で解説しています。
よくあるエラーと対処
- 1全角文字が混ざっている:最も多い原因です。数字・ハイフン・スペースをすべて半角にします。
- 2Postcodeで弾かれる:ハイフンなしの7桁(1060032)を試します。オーストラリアは4桁、ニュージーランドは4桁の郵便番号なので、桁数チェックが日本の7桁と合わない場合があります。
- 3State欄に日本の都道府県が無い:先にCountryをJapanに切り替えると入れ替わります。切り替わらない場合は自由入力欄に「Tokyo」と入れます。
- 4電話番号エラー:国番号81を選び、先頭の0を取ります。日本の電話番号の国際表記を参照してください。
- 5Address line 1が長すぎる:建物名と部屋番号をAddress line 2に移します。
なお、ETA・NZeTAの申請方法・手数料・観光税(NZのIVLなど)の扱いは変更されることがあります。申請前にオーストラリア内務省・ニュージーランド移民局の公式案内で最新の条件を確認してください。
他国の電子渡航認証との比較
同じ電子渡航認証でも入力欄の分け方は国ごとに違います。日本の住所を逆順・半角ローマ字にする原則は共通なので、一度英語住所を作れば全部に使い回せます。
- アメリカのESTA
- Address Line 1 / 2にまとめる形式(ESTAの住所欄の書き方)
- カナダのeTA
- 番地と町名が別の欄に分かれる(カナダeTA申請の住所入力)
- 韓国のK-ETA
- 滞在先住所の入力が必須(K-ETA(韓国電子渡航認証)の住所入力)
申請したあとで間違いに気づいたとき
申請を送信してから入力ミスに気づくことはよくあります。慌てて取り消す前に、どの欄の誤りかで対応が変わることを押さえてください。誤りは次の4つに分かれます。
①取り直しが必要なもの パスポート番号・氏名の綴り・生年月日・国籍。これらはパスポートと電子的に照合される項目です。1文字でも違うと、入国時に認証が本人のものとして紐づかず、搭乗を断られる可能性があります。訂正機能がない場合は新規に申請し直してください。
②取り直さなくてよいもの 滞在先の住所。渡航前に宿が変わることは当然想定されており、入国カードや入国審査で申告し直せば済みます。申請時点の予定と違っていても問題になりません。
③直したほうがよいもの メールアドレスと連絡先。認証の結果通知や照会がここに届くため、誤っていると受け取れません。訂正手段がなければ、正しいアドレスで申請し直すのが確実です。
④直さなくてよい軽微なもの 自宅住所の表記ゆれ。Chome の有無、ハイフンの位置、Bldg. を付けたか付けないかといった揺れは審査に影響しません。日本の住所表記に厳密な正解がないことは審査側も前提にしています。
判断の順番は「パスポートと照合される項目か」です。照合される項目なら取り直し、そうでなければ放置してよい、と切り分けてください。
パスポートを更新したら取り直しが必要
オーストラリアETAもNZeTAも、認証はパスポートそのものに紐づきます。有効期間が残っていても、パスポートを更新した時点で前の認証は使えません。新しいパスポートで改めて申請してください。
取り直しが必要になる主なケースは次のとおりです。
- パスポートの有効期限が切れて新規に発給された
- 紛失・盗難で再発給を受けた(番号が変わる)
- 結婚・離婚で姓が変わり、新しい氏名で発給を受けた
- 記載事項の変更で新しい旅券に切り替えた
姓が変わった場合は、氏名の綴りも当然変わります。ここで注意したいのは、航空券・ホテル予約・渡航認証の3つで氏名がすべて一致している必要があることです。渡航認証だけ新姓に直しても、航空券が旧姓のままだと搭乗手続きで止まります。パスポートを更新したら、認証・航空券・宿の3点をまとめて確認してください。
なお、有効期間内に同じパスポートで再申請しても、通常は新しい認証で上書きされるだけで不利益はありません。判断に迷ったら取り直すほうが安全です。氏名の綴りを揃える考え方は氏名のローマ字表記ガイドで詳しく扱っています。
GlobalShipsで英語住所を自動生成
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換する無料ツールです。Address line / City / State / Postcode の欄ごとに分かれた形で出力されるため、ETA・NZeTAのフォームにそのままコピーできます。アプリ申請では入力途中に戻れないことがあるので、先にここで英語住所を作ってメモしておくと安全です。処理はブラウザ内で完結し、住所情報が外部に送信されることはありません。
出生地の欄の書き方はESTAの出生地(City of Birth)欄の書き方にまとめています。
まとめ
オーストラリアETA・NZeTAの住所入力は、日本の住所を逆順・半角ローマ字にして各欄へ振り分けるだけです。Suburb欄には市区町村を入れます。アプリ申請では全角文字とスマートフォンの住所自動補完が事故の元なので、英語住所を先に用意してから始めるのが確実です。氏名はパスポートの券面と1文字も違わないようにしてください。同じ形式の申請として、イギリスのETAもあります。County欄への都道府県の入れ方はイギリスETA申請の住所入力を参照してください。米国のESTAで連絡先の欄に何を書くかはESTAの米国内連絡先(Point of Contact)の書き方にまとめています。
日付欄で DD/MM/YYYY と MM/DD/YYYY のどちらを求められているかの見分け方は海外フォームの日付入力にまとめました。
オーストラリア側の住所(州略称・Suburb・4桁の郵便番号)をどう読み取るかはオーストラリアの滞在先住所の書き方で詳しく解説しています。
職業を英語で書く場面が出てきたら、イギリスETAの職業欄の書き方の記入例をそのまま使えます。
Country of Residence と Citizenship・Nationality の欄がそれぞれ何を聞いているのかはCountry of ResidenceとCitizenship・Nationalityの違いで整理しています。