アメリカへ渡航する際に必要なESTA(電子渡航認証システム)の申請では、現住所をすべて英語(ローマ字)で入力する必要があります。日本語や漢字は使えず、入力欄も「Address Line 1」「City」「State」など英語フォーマットに分かれているため、初めての方は戸惑いがちです。本記事では、ESTA申請フォームの住所欄を正しく埋めるための具体的な記入例と注意点を解説します。
ESTAの住所は必ず英語(ローマ字)で入力する
ESTA申請フォームの言語表示を日本語に切り替えていても、入力する内容はすべて英語(アルファベット・ローマ字)でなければなりません。漢字・ひらがな・カタカナは受け付けられません。これは米国側での審査・照合を前提としているためで、パスポートのローマ字表記と整合させるのが基本です。
ESTA住所欄の各項目と日本の住所の対応
ESTAの現住所(Current Address / Home Address)入力欄は、おおむね以下の項目に分かれています。日本の住所をこれらに振り分けて入力します。
- Address Line 1(住所1)
- 番地・丁目+町名(例:1-1-1 Kasumigaseki)
- Address Line 2(住所2)
- 建物名・部屋番号(例:Kasumigaseki Heights #202)※住所1に収まる場合は空欄でOK
- City(市区町村)
- Chiyoda-ku
- State/Province(都道府県)
- Tokyo
- Zip Code(郵便番号)
- 1000013(ハイフンなし7桁でも可)
- Country(国)
- JAPAN
具体的な変換例
日本語住所「東京都千代田区霞が関1丁目1-1 霞が関ハイツ202号室」をESTAフォームに入力する場合:
- 住所1(Address Line 1)
- 1-1-1 Kasumigaseki
- 住所2(Address Line 2)
- Kasumigaseki Heights #202
- 市区町村(City)
- Chiyoda-ku
- 都道府県(State/Province)
- Tokyo
- 郵便番号(Zip Code)
- 100-0013
- 国(Country)
- JAPAN
このように、日本語とは逆順(小さい単位から大きい単位へ)で分解して入力するのがポイントです。
入力時の3つの注意点
①ハイフンの使い方:「丁目」「番地」「号」はハイフン(-)でつなぎます(例:1丁目1番1号→1-1-1)。
②部屋番号の書き方:部屋番号の前にはシャープ「#」を付けると分かりやすくなります(例:202号室→#202)。建物名の後ろに置くのが一般的です。
③都道府県の表記:「Tokyo Prefecture」のように「Prefecture」を付ける必要はなく、都道府県名のみを入力します(例:Tokyo、Osaka、Kanagawa)。
住所が入力欄に入りきらないとき
番地や建物名が長く、Address Line 1に収まらない場合は、Address Line 2に分割して入力します。建物名・部屋番号をAddress Line 2に移すことで、ほとんどのケースで収まります。City欄には市区町村(〇〇-ku/〇〇-shi)を入れ、町名はAddress Line 1側に含めるのが基本です。Address Line 1とLine 2の意味と使い分けはAddress Line 1・Line 2とは?で詳しく解説しています。
勤務先住所(雇用主情報)も同じルール
ESTA申請では就労経験がある場合、現在または直近の勤務先の名称と住所の入力を求められます。これも自宅住所と同じく、英語(ローマ字)・逆順のルールで入力します。会社名は登記上の英語表記があればそれを使い、なければヘボン式ローマ字で表記します(例:株式会社〇〇→〇〇 Co., Ltd.)。
本社と勤務地のどちらを書くか、学生や退職者はどう選ぶか、といった判断はESTAの勤務先・雇用主情報の書き方で欄ごとに整理しています。
ローマ字を間違えないために
ESTAの住所は厳密な綴りの正確さよりも、米国側が「実在する住所」と判断できることが重要ですが、パスポートや航空券の情報と大きく食い違うと審査で不利になる可能性があります。特に市区町村名・都道府県名のヘボン式ローマ字は、思い込みで誤変換しやすい部分です(例:「四日市」→Yokkaichi、「発寒」→Hassamu など)。不安な場合は変換ツールで確認するのが確実です。
米国滞在先住所(Address While In The U.S.)の入れ方
自宅住所と並んで迷いやすいのが、渡航中の滞在先を書く「Address While In The U.S.」です。ここは自分の住所ではなく、アメリカでの宿泊先を入れます。
- ホテル泊の場合
- ホテルの英語住所をそのまま入れます。予約確認メールに記載された住所をコピーするのが確実です。
- Address Line 1
- 123 Main Street
- City
- Los Angeles
- State
- CA(2文字の州略称)
- Zip Code
- 90001
- 友人・親族宅の場合
- 相手の住所を入れます。部屋番号(Apt / Unit)まで含めてください。
- 複数都市を回る場合
- 最初の滞在先だけで構いません。全行程を書く欄ではありません。
- 未定の場合
- 「UNKNOWN」と入力できる仕様になっていることが多いですが、可能な限り1泊目の宿を確定させてから申請するほうが無難です。
注意したいのは、ここは**アメリカの住所書式**である点です。日本の住所と違い番地が通り名の前に来て、州略称が必須です。書式はアメリカへの荷物の送り方の州略称一覧が参考になります。ホテル住所の扱いは海外ホテル予約の住所入力も参照してください。
電話番号と緊急連絡先の入力
住所とセットで詰まるのが電話番号です。ESTAでは国番号の欄が独立していることが多く、ここで先頭の0を残すと桁数が合いません。
- 国番号(Country Code)
- 81
- 電話番号
- 3-1234-5678(市外局番の先頭の0を取る)
- 携帯の場合
- 090-1234-5678 → 90-1234-5678
国番号欄が無く1つの欄にまとめる形式なら「+81 90 1234 5678」と入れます。詳しい考え方は日本の電話番号の国際表記で解説しています。
緊急連絡先(Emergency Contact)は、日本にいる家族や知人を指定するのが一般的です。氏名(ローマ字)・メールアドレス・電話番号を入れます。住所の入力は求められないことが多いですが、電話番号は同じく国番号と本体を分けて入れてください。
よくあるエラーと対処
- 1全角文字が混ざっている:数字・ハイフン・スペースをすべて半角にします。日本語入力のまま打った全角ハイフンが最も多い原因です。
- 2使えない記号で弾かれる:「〒」「丁目」などの日本語記号は入りません。ハイフンと半角英数字だけで組み立てます。
- 3文字数超過:Address Line 1が長い場合は建物名と部屋番号をAddress Line 2へ移します。
- 4該当がない項目:勤務先が無い(学生・無職)場合は該当する選択肢を選び、住所欄は空欄で進みます。無理に自宅住所を入れないでください。
- 5郵便番号:ハイフンあり・なしのどちらでも通るのが一般的です。弾かれたらもう一方を試します。
- 6申請後に住所が変わった:ESTAで渡航後に変更できるのは一部の情報(メールアドレスや滞在先など)に限られます。自宅住所やパスポート情報が変わった場合は新規申請が必要になることがあるため、公式サイトの案内で最新の扱いを確認してください。
なお、ESTAの申請内容や手数料の扱いは変更されることがあります。入力仕様も含め、最終的には米国税関・国境警備局(CBP)の公式サイトを確認してください。
他国の電子渡航認証も同じ考え方
アメリカ以外の国にも、渡航前にオンラインで認証を取る仕組みがあります。入力欄の名前は違っても、日本の住所を逆順・半角ローマ字にして振り分けるという考え方は共通です。
- カナダ
- eTA(カナダeTA申請の住所入力)
- 韓国
- K-ETA(K-ETA(韓国電子渡航認証)の住所入力)
- オーストラリア・ニュージーランド
- ETA / NZeTA(オーストラリアETA・NZeTA申請の住所入力)
- インド
- e-Visa(インドe-Visa申請の住所入力)
- ベトナム
- e-Visa(ベトナムe-Visa申請の住所入力)
- タイ
- 電子入国カード TDAC(タイTDAC(電子入国カード)の住所入力)
- インドネシア
- e-VOA・電子税関申告(インドネシア入国の住所入力)
一度英語住所を作っておけば、どの申請にも使い回せます。
住所を間違えて申請してしまったとき
ESTAは申請してから承認までが速く、送信ボタンを押したあとで入力ミスに気づくことがよくあります。まず落ち着いて、直せる項目かどうかを見分けてください。
ESTAの申請内容は、項目によって扱いが分かれます。氏名・生年月日・性別・国籍・パスポート番号のような本人を特定する情報は、承認後の変更ができません。パスポートを更新した場合も同じで、新しいパスポートで申請し直す必要があります。一方で、メールアドレスや渡航予定に関する情報は、既存の申請を開いて更新できる項目として扱われています。
自宅住所の入力ミスがどちらに当たるかは、CBPの公式サイト(esta.cbp.dhs.gov)の申請画面で、その申請を呼び出して更新できる項目を確認するのが確実です。扱いは変わることがあるため、この記事の記載を根拠にしないでください。
実務的な判断としては、次の順で考えるのが安全です。
- 1公式サイトで申請状況を確認する。申請番号、パスポート番号、生年月日で呼び出せます。
- 2更新できる項目なら、その場で直す。
- 3更新できない項目なら、新しく申請し直す。申請料は再度かかりますが、渡航が近いなら確実さを取るべきです。古い申請を取り消す必要はなく、有効な申請が使われます。
渡航日が迫っているのに承認が「Authorization Pending」のまま止まっている場合、追加申請でかえって混乱することもあります。搭乗の72時間前を目安に、余裕を持って確認してください。
なお、住所のスペルが多少違っていても搭乗や入国が拒否されるとは限りません。実際に照合されているのはパスポートの情報です。ただし「明らかに違う住所を書いた」状態を放置するのは避けてください。入国審査で住所を口頭で聞かれることがあり、申請内容と食い違うと説明を求められます。
家族分をまとめて申請するときと、他の書類との揃え方
家族やグループでまとめて申請する機能を使う場合も、住所は申請者ごとに入力します。同居家族であっても自動で複製されるとは限らないため、2人目以降で前の人の住所が引き継がれているか、必ず1件ずつ確認してください。人数が多いと、ここが最も抜けやすい箇所です。
子どもの申請も同じ扱いです。乳幼児でも1人ずつESTAが必要で、住所は保護者と同じ自宅住所を入れます。
他の書類との関係で迷いやすい点を2つ整理します。
パスポートの所持人記入欄:日本のパスポートには住所を書く欄がありますが、記入は任意です。空欄でも問題はなく、ESTAの住所と一致していなくても構いません。照合の対象になっているのは氏名・生年月日・パスポート番号です。ただし記入してある場合は、引っ越し後に古い住所が残っていることがあるので、書き換えておくと入国審査での説明が減ります。
航空券・ホテル予約の住所:ESTAの自宅住所と一致させる必要はありません。航空券の氏名だけはパスポートの綴りに揃えてください。ホテル予約フォームの住所入力は海外ホテル予約の住所入力にまとめています。
住所は引っ越すと変わります。ESTAの有効期間は長いため、承認から次の渡航までの間に転居することは珍しくありません。この場合も、渡航前に一度申請内容を確認しておくと安心です。
GlobalShipsで住所を英語に自動変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで都道府県・市区町村を自動補完し、ESTA申請に使える英語住所を即座に生成する無料ツールです。すべての処理がブラウザ内で完結し、入力した住所がサーバーに送信されることはないため、個人情報を扱うESTA申請の下準備にも安心して使えます。生成された英語住所をAddress Line 1・City・Stateに振り分けてコピーするだけで、入力ミスを防げます。
結婚などで姓が変わったことがある人は、別名の欄で手が止まります。答え方はESTAの別名・旧姓(Other Names Used)欄の書き方にまとめました。出生地の欄はESTAの出生地(City of Birth)欄の書き方で解説しています。
まとめ
ESTA申請の住所入力の要点は、①すべて英語(ローマ字)で書く、②日本語と逆順に分解する、③丁目番地はハイフン・部屋番号は#・都道府県は名前のみ、の3点です。正しい英語表記に自信がない場合は、GlobalShipsの無料変換ツールで確認してから入力することで、申請のやり直しを防げます。
渡航前にeSIMや現地イベントのチケットを買うときも英語の請求先住所を求められます。書き方は海外eSIMの購入で住所を英語で聞かれたらにまとめています。
イギリスへ渡航する場合はETA(電子渡航認証)が必要です。住所欄の入れ方はイギリスETA申請の住所入力にまとめています。
米国内に知り合いがいない場合に手が止まる「米国内連絡先情報(Point of Contact)」の欄は、ESTAの米国内連絡先(Point of Contact)の書き方で記入例を載せています。
国民ID番号(National Identification Number)の欄で止まる人が多いので、ESTAの国民ID番号の書き方もあわせて確認してください。両親の氏名欄はESTAの両親の氏名欄の書き方にまとめています。
日付欄で DD/MM/YYYY と MM/DD/YYYY のどちらを求められているかの見分け方は海外フォームの日付入力にまとめました。
滞在先住所(Address While In The U.S.)の欄だけを詳しく扱ったものがESTAの米国滞在先住所(Address While In The U.S.)の書き方です。複数都市を回る場合や滞在先が未定の場合もここにまとめています。
Global Entry会員番号(PASSID)の欄で止まった場合はESTAのGlobal Entry会員番号(PASSID)欄の書き方を参照してください。会員でなければ空欄で構いません。
緊急連絡先(Emergency Contact Information)の欄は米国内の人でなくてよく、日本の家族で構いません。書き方はESTAの緊急連絡先欄の書き方にまとめています。