海外のホテルでチェックインすると、パスポートと一緒に「Registration Card」「Guest Registration Form」と書かれた用紙を渡され、その場で記入を求められることがあります。予約フォームのように欄が細かく分かれていないうえ、フロントで待たれている状況で書くため、住所の順番が思い出せず固まりがちです。この記事では、その用紙に何を書くのかを欄ごとに整理します。予約時の住所入力については海外ホテル予約の住所入力を参照してください。
何を書かされるのか
ホテルによって様式は違いますが、聞かれる項目はおおむね共通です。
- Full Name(氏名/パスポートと同じローマ字)
- Home Address / Permanent Address(自宅住所)
- Nationality(国籍)
- Passport Number(旅券番号)
- Date of Birth(生年月日)
- Phone / Email(連絡先)
- Arrival / Departure Date(到着日・出発日)
- Purpose of Visit(渡航目的)
- Signature(署名)
多くはすでに予約時に伝えた情報なので、ホテル側が印字済みで「確認して署名だけ」という形のこともあります。空欄なのは住所とパスポート番号あたりに絞られます。
住所は1行につないで書く
予約サイトのフォームは Address Line 1/City/State と欄が分かれていますが、紙のカードは「Address」の1行しかないことがほとんどです。この場合は、小さい単位から大きい単位へカンマでつなぎます。
- 日本語
- 東京都港区六本木3丁目12-5 森タワー205号室
- 英語
- #205 Mori Tower, 3-12-5 Roppongi, Minato-ku, Tokyo 106-0032, Japan
順番は「部屋番号 → 建物名 → 番地 → 町名 → 市区町村 → 都道府県 → 郵便番号 → 国名」です。日本語の住所とちょうど逆になります。国名(Japan)は必ず入れてください。海外のホテルにとって、そこが日本かどうかが最も重要な情報です。
書ききれない狭い欄なら、建物名と部屋番号は省いて「3-12-5 Roppongi, Minato-ku, Tokyo, Japan」でも実務上は困りません。この用紙は郵便物を送るためのものではなく、宿泊者の身元を記録するためのものだからです。逆順のルールそのものは日本の住所を英語で書く方法で解説しています。
住所欄に宿泊先を書かないこと
最も多い勘違いが、Address欄にそのホテルの住所を書いてしまうことです。ここで求められているのは Home Address、つまりあなたが普段住んでいる家の住所です。
用紙によっては「Permanent Address(恒久住所)」と書かれていることもありますが、日本の住民票の住所を書けば足ります。単身赴任や下宿で住民票と実際の居所が違う場合は、実際に住んでいる住所を書いて構いません。ホテル側は連絡が取れる住所を記録したいだけです。
同じ理由で、ESTAの「Address While In The U.S.」のように滞在先を書く欄とは目的が正反対です。混同しないよう、欄の英語ラベルを必ず読んでください。
氏名と署名はパスポートに合わせる
氏名欄はパスポートの券面と同じローマ字で書きます。姓名の順序は、Family Name / Given Name と欄が分かれていればそれに従い、Full Name の1欄なら「RYUICHIRO ITO」のように名→姓の順が一般的です。姓名どちらを先に書くか迷ったら、姓を大文字にする(Ryuichiro ITO)と誤読されません。
署名(Signature)は、パスポートの署名欄と同じ書き方に揃えるのが無難です。漢字署名のパスポートなら漢字で構いません。クレジットカードのデポジット(保証金)を取る際にサインを照合するホテルもあるため、カードの署名と大きく違う書き方は避けてください。
姓と名のどちらがどちらか分からなくなったときはGiven Name・Surnameとは?を参照してください。
そのほかの欄の書き方
Nationality:Japanese と書きます。Japan(国名)ではなく Japanese(国籍を表す形容詞)が正確ですが、Japan と書いて問題になることはまずありません。
Passport Number:券面の英数字をそのまま書き写します。ハイフンやスペースは入れません。チェックイン時はパスポートを預ける・コピーを取られることも多く、その場合は記入不要です。
Occupation / Company:職業や勤務先を書かせる様式もあります。Company Employee のような一般的な表記で足ります。会社名の英語表記は株式会社・合同会社を英語で書く方法を参照してください。
Purpose of Visit:観光なら Tourism / Sightseeing、出張なら Business です。
Vehicle Registration / License Plate:アメリカのモーテルなど車社会の宿でよくある欄です。レンタカーならナンバープレートの番号、車で来ていなければ N/A と書きます。
Next Destination:次にどこへ行くかを聞かれることがあります。次の都市名か、帰国なら Japan で構いません。
国によって求められる情報が違う
宿泊者情報の収集は、多くの国で法令に基づいて義務づけられています。そのため聞かれる範囲が国ごとに変わります。
- ヨーロッパ(イタリア・スペイン・フランスなど):パスポート番号・生年月日・国籍の記入が厳格で、警察へのオンライン届出が義務。チェックインでパスポート提示は必須です
- アメリカ:様式は簡素なことが多い一方、車のナンバーやクレジットカード情報を書かせる欄が残っています
- アジア(タイ・ベトナム・韓国など):外国人宿泊者の届出制度があり、パスポートの預かり・コピーが一般的です
いずれも「自宅住所・国籍・旅券番号」が核で、ここを英語で用意しておけばどの国でも対応できます。入国時に書く書類は入国カード・税関申告書の住所の書き方にまとめています。
フロントで固まらないための準備
この用紙は、フロントで並んでいる最中に立ったまま書くことになります。手元で調べる余裕はないので、出発前に1行版の英語住所をスマホのメモに保存しておくのが最も効きます。
保存しておくと役に立つ4行:
- Name
- ITO Ryuichiro(パスポートと同じ綴り)
- Address
- #205 Mori Tower, 3-12-5 Roppongi, Minato-ku, Tokyo 106-0032, Japan
- Phone
- +81 90 1234 5678
- Passport
- 券面の番号
同じメモは、機内で配られる入国カードや税関申告書、レンタカーの契約書にもそのまま使えます。電話番号の国際表記は日本の電話番号の国際表記を参照してください。
GlobalShipsで1行版の英語住所を作る
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換する無料ツールです。生成された住所はカンマ区切りの1行としてコピーできるため、そのままスマホのメモに貼っておけば、宿泊登録カードの Address 欄に書き写すだけで済みます。処理はすべてブラウザ内で完結し、住所・氏名がサーバーに送信されることはありません。
まとめ
宿泊登録カードの要点は、①Address欄はホテルではなく自分の自宅住所、②番地から国名まで逆順にカンマでつないだ1行で書く、③氏名と署名はパスポートに合わせる、の3点です。出発前に「氏名・1行の英語住所・電話番号・旅券番号」の4点をメモに保存しておけば、フロントで手が止まることはありません。