海外のホテル予約サイトで最初に手が止まるのが氏名の欄です。First name と Last name のどちらに何を入れるのか、パスポートと同じでなければいけないのか、ミドルネームの欄はどうするのか。住所の入力より前に出てくるのに、意外と解説がありません。この記事では、予約の氏名欄をどう埋めるかと、綴りを間違えたときにどうするかを整理します。
結論:パスポートの英字氏名をそのまま写す
判断の基準はひとつだけです。パスポートの顔写真ページに印字されている英字の氏名と、予約名を一致させます。
パスポートには「YAMADA TARO」のように、姓(Surname)と名(Given name)が別々に印字されています。予約フォームでは、この2つを入れ替えて入力します。
- Last name / Family name / Surname → 姓(YAMADA)
- First name / Given name → 名(TARO)
日本語で名乗るときは「山田太郎」と姓が先ですが、英語のフォームは名が先です。欄の名前を見て振り分けてください。Given name と Surname の意味の違いはGiven nameとSurnameの違いで詳しく扱っています。
なぜパスポートに揃えるかというと、チェックインで身分証の提示を求められるからです。予約名と提示した身分証の名前が別人に見えると、確認に時間がかかります。海外のホテルでは、予約者本人以外の名義での宿泊を認めない運用が一般的です。
ヘボン式のまま入れる。読みやすく直さない
日本のパスポートの英字氏名はヘボン式ローマ字で作られています。予約サイトにも、このヘボン式の綴りをそのまま入れます。
- 大野 → ONO(パスポートが OHNO なら OHNO)
- 伊藤 → ITO(パスポートが ITOH なら ITOH)
- 斎藤 → SAITO
- 新一 → SHINICHI
迷いやすいのが長音です。「おおの」「いとう」のような伸びる音は、パスポート申請時に本人がどちらを選んだかで表記が分かれます。ONO と OHNO はどちらも実在する表記です。だからこそ、記憶ではなくパスポートの現物を見て写してください。
「読みにくいから」と綴りを変えたり、ハイフンやアポストロフィを足したりしないでください。ローマ字表記のルールそのものは氏名のローマ字表記ガイドにまとめています。
ミドルネーム・敬称の欄
海外のフォームは英語圏の氏名を前提に作られているので、日本人には不要な欄が並びます。
Middle name:空欄で構いません。日本のパスポートにミドルネームの記載はありません。必須マークが付いていて空欄では進めない場合のみ、名(TARO)を入れるか、フォームの案内に従ってください。
Title / Salutation(Mr. / Ms. / Mrs. など):選択が必須なら選びます。実際の宿泊に影響する項目ではありません。Mrs. は既婚女性を指す語なので、迷ったら Ms. を選んでおけば無難です。
Suffix(Jr. / III など):空欄です。
Preferred name / Nickname:呼びかけに使うだけの欄です。入れても入れなくても構いません。
必須でない欄を無理に埋める必要はありません。埋めることで予約名が長くなり、かえってパスポートと見比べにくくなります。
大文字・小文字とスペースの扱い
綴りが同じであれば、大文字か小文字かは問題になりません。YAMADA でも Yamada でも同じ予約として扱われます。パスポートが全部大文字だからといって、フォームも大文字にしなければならないわけではありません。
一方で、次の点は揃えてください。
- 全角文字を使わない。日本語入力のまま打つと全角の英字になり、エラーになるか文字化けします。半角で入力します。
- 氏名の前後に余計なスペースを入れない。コピー&ペーストのときに末尾のスペースが紛れ込みがちです。
- 姓と名を1つの欄にまとめない。First name の欄に「TARO YAMADA」と入れると、姓が二重になります。
- 漢字やひらがなを入れない。日本語表記を受け付ける欄ではありません。
名が2つに分かれている人(「太郎丸」ではなく、たとえば戸籍上の名が2語に分かれるケース)は、パスポートの Given name 欄に印字されているとおりに、スペースも含めてそのまま写します。
同行者の名前をどう入れるか
2人以上で泊まる場合、予約サイトによって扱いが変わります。
代表者だけを入力する形式:予約者の氏名だけを入れます。同行者の名前は不要です。人数さえ合っていればチェックインできます。
宿泊者全員を入力する形式:それぞれのパスポート表記で入れます。家族でも、姓の綴りが同じとは限らないので(結婚で姓が変わり、パスポートの更新時期が違う場合など)1人ずつ確認してください。
子どもの名前を入れる欄がある場合も、パスポートの表記に揃えます。子どもの分だけ表記を簡略化しないでください。
予約者本人が宿泊しない、いわゆる代理予約は、認められないホテルがあります。予約時の案内を確認してください。
綴りを間違えて予約してしまったとき
確定後に気づいた場合、慌ててキャンセルする前に確認してください。
1文字程度の綴り違い(TARO を TAROU と入力した、など)は、ホテル側で同一人物と判断されることが多く、チェックイン時にパスポートを見せれば済むことがほとんどです。ただし放置せず、次のいずれかで直しておくと確実です。
- 予約サイトのマイページに氏名の修正機能があれば、そこで直します。
- 修正機能がなければ、予約サイトのカスタマーサポートに予約番号と正しい綴りを伝えます。
- ホテルに直接、予約番号と正しい綴りをメールで伝えておく方法もあります。
姓と名が入れ替わっているだけ(First name に YAMADA、Last name に TARO と入れた)の場合も、同じ手順で直せます。この取り違えは非常に多いので、恥ずかしがらずに連絡してください。
注意したいのは、航空券との違いです。ホテルの予約名は比較的柔軟に扱われますが、航空券は綴り違いの修正に手数料がかかったり、変更自体ができなかったりします。同じ感覚で考えないでください。
キャンセルして取り直すのは最後の手段です。返金不可の料金プランだと、キャンセルした時点で宿泊料が戻りません。まず修正できないかを確認してください。
氏名の次に詰まる欄
氏名を入れたあとに手が止まりやすいのは、住所とカード情報の欄です。
住所欄(Address Line 1・2):日本の住所を逆順のローマ字で振り分けます。海外ホテル予約サイトの住所入力とAddress Line 1・2の意味で扱っています。Expedia を使う場合はExpediaの住所入力にサイト固有の手順をまとめました。
カードの請求先住所:カード会社に登録した住所と一致させます。仕組みはbilling addressで決済が弾かれる理由を参照してください。
郵便番号や都道府県が弾かれる:国の選択が先に済んでいないことが原因の大半です。郵便番号・都道府県が弾かれるときの対処法にまとめています。
宿泊のリクエストを英語で伝えたい場合はホテルへの英語リクエストに例文を用意しています。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。氏名の次に来る住所欄で、Address Line 1・2 や State に何を入れるかがそのまま分かります。変換はブラウザ内で完結し、入力内容が外部に送信されることはありません。
まとめ
海外ホテルの予約名は、パスポートの英字氏名と同じ綴りにします。First name に名、Last name に姓を入れ、日本語とは逆の順番になります。ヘボン式の綴りは記憶ではなくパスポートの現物を見て写してください。ミドルネームや Suffix の欄は空欄で構いません。大文字・小文字は問われませんが、全角文字と前後の余計なスペースは避けます。綴りを間違えたら、キャンセルする前に予約サイトかホテルに連絡して修正を依頼してください。