ESTAの申請では、日本の自宅住所・勤務先住所のほかに「米国滞在先住所(Address While In The U.S.)」を聞かれます。ここで手が止まるのは、旅程が1か所に決まっていないからです。複数都市を回る予定でも、欄は1件分しかありません。この記事では、この欄に何を入れるのか、旅程が固まっていない場合にどうするのかを記入例つきで整理します。なお、申請料金・有効期間・画面の項目名は変更されることがあるため、申請の直前に公式の案内で確認してください。
米国内連絡先(Point of Contact)との違い
ESTAには米国側の情報を書く欄が2つあり、混同しやすいので先に整理します。
- Address While In The U.S.(米国滞在先住所)
- どこに泊まるかを書く欄です。住所だけを聞かれます。
- Point of Contact in the U.S.(米国内連絡先)
- 米国側であなたに連絡が取れる先を書く欄です。名前と電話番号の欄があります。
観光で行く場合、結果として同じホテルを両方に書くことになります。それで問題ありません。違うのは、前者が「場所」、後者が「連絡が取れる相手」を聞いているという点だけです。連絡先欄の書き方はESTAの米国内連絡先(Point of Contact)の書き方にまとめています。
ESTA全体の住所欄の考え方はESTAの住所欄の書き方を参照してください。
ホテルに泊まる場合の記入例
予約確認メールに載っている英語住所をそのまま写します。
- Address line 1
- 123 Main St
- Address line 2
- (空欄で構いません)
- Apartment number
- (空欄)
- City
- Los Angeles
- State
- CA
- ZIP code
- 90012
ホテル名を書く欄はありません。ホテル名は Address line 1 に入れる必要はなく、住所だけで足ります。書きたい場合は Address line 2 に入れます。
通り名の略号は St(Street)、Ave(Avenue)、Rd(Road)、Blvd(Boulevard)、Dr(Drive)、Ln(Lane)です。予約確認メールの表記をそのまま写せば、これらを覚える必要はありません。英語の確認メールの読み方はExpediaの予約確認メールの見方で解説しています。
複数都市を回る場合はどれを書くか
ロサンゼルス→ラスベガス→サンフランシスコのように移動する旅程でも、欄は1件分です。この場合は最初に泊まる場所を入れるのが一般的な埋め方です。
全都市を書き込もうとして Address line 1 に「Los Angeles and Las Vegas and...」と詰め込むのは避けてください。桁数を超えるうえ、住所として読めない文字列になります。
この欄は「入国後に所在が分かる場所を1つ確保する」ためのものです。旅程の全体を申告する欄ではありません。入国審査で口頭により旅程を聞かれることはありますが、それとこの欄は別のものです。
滞在先が決まっていない場合
航空券だけ先に取って宿がまだ、という状態で申請することもあります。
- 候補が決まっている場合
- 候補の宿の住所を入れます。あとで宿が変わっても、申請時点で分かっていた情報を書いた形になります。
- 何も決まっていない場合
- 様式によっては空欄で進めないことがあります。この場合の扱いは公式の案内に従ってください。想像で存在しない住所を入れるのは避けます。
宿が変わることを恐れて申請を先延ばしにするより、申請自体は早めに済ませておくほうが安全です。承認までに時間がかかることがあるためです。
友人宅・親戚宅・Airbnbに泊まる場合
ホテル以外に泊まる場合も、書くのは住所です。
- 友人宅・親戚宅
- 相手に住所を英語のまま送ってもらってください。口頭やカタカナで聞き取って書き起こすと、通り名の綴りを間違えます。Apartment number の欄には部屋番号(Apt 12、Ste 500 など)を入れます。
- Airbnb・民泊
- 予約が確定すると正確な住所が開示されます。確定前は番地が伏せられていることがあるため、住所が出てから申請するか、分かっている範囲(都市・州・ZIP)で埋める形になります。
- 大学の寮
- 寮の正式な住所を大学のサイトで確認します。キャンパス名だけでは住所になりません。
友人宅を書いたからといって、その人に何かの責任が生じるものではありません。連絡先欄と同様、身元保証を求めている欄ではありません。
クルーズ・乗り継ぎだけの場合
米国に滞在せず通過するだけ、あるいは船に泊まる場合もあります。
- クルーズ船に泊まる
- 出港地の港の住所、または船会社が案内している住所を入れる形になります。船名だけでは住所欄を埋められません。
- 乗り継ぎのみ(空港から出ない)
- 様式によって扱いが異なります。乗り継ぎ空港の所在地を入れる、という埋め方が案内されている場合があります。
この2つは様式の想定から外れたケースなので、記事の一般論で判断せず、公式の案内または利用する航空会社・船会社の案内を確認してください。
州は2文字の略号、ZIPは5桁
米国の州は必ず2文字の略号を使います。日本人の渡航先で多いものを挙げます。
- CA
- California(ロサンゼルス、サンフランシスコ)
- NY
- New York(ニューヨーク)
- HI
- Hawaii(ホノルル)
- NV
- Nevada(ラスベガス)
- FL
- Florida(オーランド、マイアミ)
- WA
- Washington(シアトル)
- IL
- Illinois(シカゴ)
- TX
- Texas(ダラス、ヒューストン)
- MA
- Massachusetts(ボストン)
- GU
- Guam(グアム)
ワシントン州(WA)と首都ワシントンD.C.(DC)は別物です。首都に泊まる場合は DC を選びます。
ZIPコードは5桁です。「90012-1234」と9桁で書かれていることもありますが、5桁だけで足ります。日本の7桁を入れると弾かれます。日本の郵便番号を入れる欄は別(自宅住所の欄)なので混同しないでください。ZIP欄や State欄で弾かれるときの直し方はZIP・Stateで弾かれるときの直し方にまとめています。
申請後に滞在先が変わったら
承認後に宿を変更することはよくあります。申請済みの内容をどこまで修正できるか、修正が必要かどうかは制度側の扱いによるため、ここでは断定しません。公式の案内で、変更できる項目と、変更が必要とされる項目を確認してください。
実務上重要なのは、申請時点で分かっていた情報を正確に書いておくことです。虚偽の内容を書かないこと、空欄を埋めるために存在しない住所を入れないこと。この2点さえ守っていれば、後から旅程が変わること自体は普通に起こることです。
GlobalShipsで日本の住所を英語にする
米国側の住所は予約確認メールから写せますが、同じ申請で必ず聞かれる日本の自宅住所は自分で英語にする必要があります。GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換する無料ツールです。Address line 1 / Address line 2 / City / State / Postal code の欄ごとに分かれた形で出力されるため、ESTAのフォームにそのままコピーできます。
申請フォームは入力途中で時間切れになることがあります。始める前に、日本の自宅住所と米国の滞在先住所の両方をメモアプリへ貼っておくと確実です。処理はブラウザ内で完結するため、住所情報が外部に送信されることはありません。
まとめ
ESTAの米国滞在先住所は、最初に泊まる場所を1件だけ書く欄です。予約確認メールの英語住所をそのまま写し、State は2文字略号、ZIP は5桁で入れます。複数都市を回る場合も全部を書く欄はありません。米国内連絡先(Point of Contact)とは別の欄なので、両方埋めてください。
勤務先の欄についてはESTAの勤務先・雇用主情報の書き方、出生地の欄についてはESTAの出生地(City of Birth)欄の書き方にまとめています。同じ論点をオーストラリアで扱ったものがオーストラリアの滞在先住所の書き方です。