ESTA・eTA・ビザ・海外の会員登録フォームには、国を答える欄が複数並ぶことがあります。Country of Residence、Country of Citizenship、Nationality、Country of Birth。日本在住の日本人なら全部 Japan で済むのですが、「全部同じ答えでいいのか」が分からないまま止まってしまう人が多い欄です。この記事では、それぞれが何を聞いているのかを1行で示し、答えが分かれるケースだけを取り出します。
4つの欄の意味を1行で
- Country of Residence(居住国)
- 今、生活の本拠を置いている国。住所のある国。
- Country of Citizenship(国籍国)
- パスポートを発行している国。
- Nationality(国籍)
- Country of Citizenship と同じ意味。フォームによって呼び名が違うだけ。
- Country of Birth(出生国)
- 生まれた国。あとから変わらない。
つまり実質的には「住んでいる国」「国籍の国」「生まれた国」の3つです。Citizenship と Nationality が別々の欄として並ぶことはまずありません。どちらか一方が使われます。
判断の基準は、変わるものか変わらないものかです。Residence は引っ越せば変わります。Citizenship は帰化しない限り変わりません。Birth は一生変わりません。
日本在住の日本人は全部 Japan
日本で生まれ、日本国籍を持ち、日本に住んでいる人は、次のように答えます。
- Country of Residence
- Japan
- Country of Citizenship
- Japan
- Nationality
- Japan(または Japanese)
- Country of Birth
- Japan
同じ答えが4回続くので「入力を間違えているのでは」と不安になりますが、これで正しい入力です。国籍を聞く欄と住所の国を聞く欄が別々に用意されているのは、両者が食い違う人のためです。
住所欄の Country は Country of Residence と同じ国になります。日本の住所を書くのですから Japan です。渡航先の国を入れる欄ではありません。
答えが分かれる3つのケース
【1】海外駐在・留学中 日本国籍のまま海外に住んでいる場合、Country of Residence は滞在国、Citizenship は Japan です。 Country of Residence:United States Country of Citizenship:Japan このとき住所欄に書くのは、現地の住所です。日本の実家の住所ではありません。日本の住所は Permanent Address(本国住所)を別に聞かれたときに書きます。
【2】二重国籍 複数の国籍を持つ場合、フォームによっては「他に国籍はありますか」という質問が続きます。申請に使うパスポートの国籍を主として答え、追加の質問には正直に答えてください。ESTAの場合、他の国籍を隠すのは避けるべきです。
【3】外国籍で日本在住 Country of Residence:Japan、Citizenship:出身国です。住所欄は日本の住所を英語で書きます。日本在住の外国籍の方が申請するときも、住所の書き方(逆順・ローマ字)は同じです。
Nationality欄は Japan か Japanese か
Nationality 欄に「Japan」と「Japanese」のどちらを書くかは、欄の作りで決まります。
- プルダウン(選択式)の場合:用意されている選択肢を選びます。Japan しかなければ Japan、Japanese しかなければ Japanese です。迷う余地がありません。
- 自由入力の場合:どちらでも通ります。強いて言えば Nationality は形容詞形(Japanese)、Country of Citizenship は国名(Japan)が本来の形ですが、これで弾かれることはまずありません。
国名の表記についても同様に、JAPAN / Japan / JPN のどれでも構いません。3文字コードを求められている欄(Country Code)だけは JPN を使います。
Place of Birth・City of Birth は別の欄
Country of Birth は国名ですが、Place of Birth / City of Birth は市区町村名です。ここに Japan と書くとエラーになります。
- City of Birth
- Tokyo(出生地の市区町村)
- Country of Birth
- Japan
出生地は本籍地ではなく、実際に生まれた場所です。母子手帳やパスポート申請時の戸籍の記載で確認できます。ESTAの出生地欄の具体的な書き方はESTAの出生地(City of Birth)欄の書き方にまとめています。
Permanent Address と Current Address
国の欄と同じ構造が住所にもあります。
- Current Address / Home Address
- 今住んでいる住所
- Permanent Address
- 本国の恒久的な住所
日本に住んでいる日本人は両方に同じ日本の住所を書きます。海外駐在中の人だけが、Current に現地住所、Permanent に日本の住所と書き分けます。
Permanent Address を「本籍地」と訳している解説を見かけますが、これは正確ではありません。日本の戸籍上の本籍地は、住んだことのない土地であることも珍しくありません。Permanent Address が求めているのは「連絡がつく恒久的な住所」なので、実家の住所を書くのが実務的です。
日本の住所を各欄に振り分ける方法はビザ申請の住所を英語で書く方法を参照してください。
プルダウンで日本が見つからないとき
国のプルダウンで Japan が見つからない場合、次の順で探してください。
- 1アルファベット順のJの位置(Italy と Jordan の間)
- 2「Japan」ではなく「JAPAN」「Japan (JP)」で並んでいないか
- 3頻出国が先頭に固まっていて、その下にアルファベット順が続いていないか
それでも無い場合、そのフォームは日本からの申請を想定していない可能性があります。ブラウザの自動入力が別の国を選んでしまっているケースも多いので、いったん欄をクリアしてから手で選び直してください。
国を選び直すと、その下の State / ZIP の形式が変わります。必ず Country を先に確定させてから住所を入れてください。順番を逆にすると、米国形式のまま日本の郵便番号を入れることになって弾かれます。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号から日本の住所を英語に自動変換し、Address Line 1 / 2・City・State・ZIP・Country に振り分けた形で出力する無料ツールです。氏名のヘボン式ローマ字、電話番号の+81変換にも対応しています。処理はすべてブラウザ内で完結するため、申請前の下準備に使っても情報が外部に出ることはありません。
まとめ
Country of Residence は住んでいる国、Citizenship と Nationality は国籍の国、Country of Birth は生まれた国です。日本在住の日本人は全部 Japan で正しく、分かれるのは海外駐在・留学中、二重国籍、外国籍で日本在住の3ケースだけです。住所欄の Country は必ず Residence 側と一致させ、Country を先に選んでから住所を入力してください。氏名欄の Given Name / Surname で迷ったときはGiven NameとSurnameの意味を参照してください。