ESTAの申請で手が止まりやすいのが「米国内連絡先情報(Point of Contact Information in the U.S.)」の欄です。観光で行くだけの人には米国内の知り合いなどいないのが普通なのに、空欄では先に進めません。この記事では、この欄が何を聞いているのか、知人がいない場合に何を入れるのか、滞在先住所の欄とどう違うのかを記入例つきで整理します。申請料金・有効期間・画面の項目名は変更されることがあるため、申請の直前に公式の案内で確認してください。
この欄は何を聞いているのか
米国内連絡先情報は、米国側があなたに関して確認を取りたいときに連絡できる先を書く欄です。親族や勤務先の関係者がいればその人を書きますが、いなければ「あなたが米国にいる間、所在が分かる場所」で足ります。観光客の大半はここに宿泊先のホテルを入れています。
重要なのは、この欄が身元保証人を求めているわけではないという点です。書かれた相手に何かの責任が発生するものではありません。「知り合いに迷惑がかかるのでは」と考えて空欄にする必要はなく、むしろ空欄や明らかに不自然な内容のほうが確認の対象になります。
ESTA申請全体の住所欄の考え方はESTAの住所欄の書き方にまとめています。勤務先の欄についてはESTAの勤務先・雇用主情報の書き方を参照してください。
滞在先住所(Address While In The U.S.)との違い
ESTAには住所を書く欄が複数あり、混同しやすいので整理します。
- 1自宅住所:日本の自宅です。逆順の半角ローマ字で書きます。
- 2勤務先住所:現在の勤め先です。無職・学生・退職者は該当する選択肢を選びます。
- 3米国滞在先住所(Address While In The U.S.):米国で泊まる場所です。
- 4米国内連絡先(Point of Contact in the U.S.):米国側の連絡先です。
3と4は別の欄ですが、観光客の場合は結果として同じホテルを両方に書くことになります。それで問題ありません。違うのは、3が「どこに泊まるか」、4が「誰に連絡が取れるか」を聞いているという点だけです。4には Name の欄があり、ホテル名や担当者名を入れます。
日本の自宅住所の書き方は日本の住所を英語で書く方法にまとめています。
ホテルを連絡先にする場合の記入例
予約確認メールに載っている英語住所をそのまま使います。
- Name(連絡先の名前)
- Hotel ABC Los Angeles
- Address line 1
- 123 Main St
- Address line 2
- (空欄のままで構いません)
- Apartment number
- (空欄)
- City
- Los Angeles
- State
- CA
- ZIP code
- 90012
- Phone number
- 213-555-0100
Name の欄が「姓」「名」に分かれている様式では、ホテル名を姓の欄に入れるか、両方に UNKNOWN と入れます。UNKNOWN は米国側の様式で正式に使える入力値で、多くの申請者がこの欄で使っています。
電話番号はホテルの代表番号で足ります。市外局番から続けて「213-555-0100」の形です。国番号(+1)は付けても付けなくても構いません。番号が分からない場合、予約確認メールに書かれていることがほとんどです。
州(State)は2文字の略号で入れる
米国の州は必ず2文字の略号を使います。選択式になっていることが多いですが、手入力の様式では略号で入れてください。日本人の渡航先で使うことが多いものを挙げます。
- CA
- California(ロサンゼルス、サンフランシスコ)
- NY
- New York(ニューヨーク)
- HI
- Hawaii(ホノルル)
- NV
- Nevada(ラスベガス)
- FL
- Florida(オーランド、マイアミ)
- WA
- Washington(シアトル)
- IL
- Illinois(シカゴ)
- TX
- Texas(ダラス、ヒューストン)
- MA
- Massachusetts(ボストン)
- GU
- Guam(グアム)
- MP
- Northern Mariana Islands(サイパン)
ワシントン州(WA)と首都ワシントンD.C.(DC)は別物です。首都は州ではなく特別区なので、選択肢では DC を選びます。グアム・サイパンは州ではありませんが、州の選択肢に並んでいます。
ZIPコードは5桁、住所の書き方は日本と逆
米国の郵便番号(ZIP code)は5桁です。「90012」のように書きます。「90012-1234」と9桁で書かれていることもありますが、5桁だけで足ります。日本の7桁を入れると弾かれます。
米国の住所は日本語と逆で「番地 → 通り名 → 市 → 州 → ZIP」の順です。日本の住所を英語にするときと同じ並びなので、考え方は共通しています。
通り名の略号は St(Street)、Ave(Avenue)、Rd(Road)、Blvd(Boulevard)、Dr(Drive)、Ln(Lane)です。予約確認メールの表記をそのまま写せば、これらを覚える必要はありません。部屋番号がある場合は「Ste 500」(Suite 500)や「Apt 12」のように書き、Address line 2 か Apartment number の欄に入れます。
ケース別の埋め方
米国内に親族・知人がいる場合:その人の氏名・住所・電話番号を書きます。事前に本人に伝えておくのが礼儀ですが、許可を取る義務があるわけではありません。
出張で行く場合:訪問先の企業名・住所・代表番号を書きます。会社名の英語表記の決め方は会社名の英語表記にまとめています。
複数都市を回る場合:最初に泊まる1件で足ります。全行程を書く欄ではありません。
クルーズ船で寄港する場合:船会社名と乗船する港の情報を書きます。船内泊で米国内に宿がない形になるため、様式によっては別の選択肢が用意されています。
乗り継ぎ(トランジット)のみの場合:米国内に泊まらなくてもESTAは必要です。連絡先の欄には乗り継ぐ空港の所在地や航空会社を書くか、UNKNOWN を使います。
民泊・友人宅の場合:実際に泊まる住所を書きます。ホスト名が分からなければ物件名や UNKNOWN で構いません。
よくあるエラーと対処
- 1空欄で送信できない:この欄は必須です。知人がいなくてもホテル情報で埋めてください。
- 2日本語・全角文字の混入:住所も名前もすべて半角の英数字で入力します。ハイフンやスペースも半角です。
- 3日本の住所を入れてしまう:米国内の連絡先を聞く欄です。日本の住所は自宅住所の欄に入れます。
- 4ZIPの桁数違い:5桁です。
- 5州名をフルスペルで入れる:2文字の略号にします。
- 6ホテルがまだ決まっていない:1泊目だけでも予約してから申請するのが確実です。
- 7電話番号にハイフン以外の記号を入れる:括弧やドットは避け、数字とハイフンだけにします。
- 8申請後に予定が変わった:住所や連絡先の変更で申請をやり直す必要があるかは、様式によって扱いが異なります。修正できる範囲は変更されることがあるため、公式の案内で確認してください。
渡航認証全般で起きる住所のミスは海外発送でよくある住所の間違いでも扱っています。
他国の渡航認証でも同じ欄がある
連絡先や滞在先を聞く欄は、米国以外の電子渡航認証にもあります。考え方は同じで、現地で泊まる場所の英語住所を予約確認メールから写せば足ります。
- カナダeTA
- カナダeTA申請の住所入力
- オーストラリア・ニュージーランドのETA
- 豪州・NZのETA申請の住所入力
- イギリスETA
- イギリスETA申請の住所入力
- 韓国K-ETA
- K-ETA申請の住所入力
日本の自宅住所の英語表記は一度作れば全部で使い回せます。表記を申請ごとに変えると、後から照合されたときに別人の情報に見えるため、同じ綴りで統一しておいてください。
GlobalShipsで自宅住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。ESTAの自宅住所欄に必要な Address line / City / State / ZIP に分かれた形で出るので、そのままコピーできます。変換はブラウザ内で完結し、入力内容が外部に送信されることはありません。
まとめ
ESTAの米国内連絡先は、知人がいなくても宿泊先のホテルで埋められます。名前の欄はホテル名か UNKNOWN、住所は予約確認メールの英語表記をそのまま写し、州は2文字の略号、ZIPは5桁です。滞在先住所(Address While In The U.S.)とは別の欄なので、両方を埋めてください。日本の自宅住所は他の申請でも使い回すので、綴りを揃えて手元に残しておくと次から早く済みます。