ESTAの申請画面を進むと、緊急連絡先(Emergency Contact Information)を求められます。「アメリカに知り合いなんていない」と手が止まる欄ですが、ここは米国内の人を書く欄ではありません。この記事では、誰を書けばいいのか、氏名・メール・電話番号をどう英語で入れるのか、そしてよく取り違えられる別の連絡先欄との違いを整理します。
米国内の人でなくてよい
この欄の見出しには「in or out of the U.S.(米国内でも米国外でも可)」と書かれています。つまり、アメリカに住んでいる人を用意する必要はありません。日本にいる家族や親しい友人で構いません。
実際に選ばれることが多いのは次のような相手です。
- 同居している家族(親、配偶者、きょうだい)
- 別居していても連絡がつく親
- 一人暮らしなら実家の親
- 単身赴任や留学中なら日本にいる家族
選ぶ基準はひとつだけで、渡航中に連絡がついて、あなたのことを説明できる人かどうかです。海外にいる知人を無理に探す必要はありません。会社の連絡先を書くこともできますが、渡航中の時間帯に確実に人が出る番号かどうかを考えてから決めてください。
同行者を書いてもよいのか、と迷う人がいます。同じ便で一緒に渡航する家族は、緊急時に本人と同じ状況にいる可能性があるため、日本に残る人を書いておくほうが連絡先として機能します。
「米国内の連絡先」欄とは別物
ESTAには連絡先を書く欄が複数あり、ここが混同の元になります。
緊急連絡先(Emergency Contact Information)は、申請者本人に何かあったときの連絡先です。米国内・米国外を問いません。氏名・メールアドレス・電話番号を入れます。住所は聞かれません。
米国内の連絡先(U.S. Point of Contact)は、渡航情報のセクションにある別の欄で、アメリカ側で誰を訪ねるか・どこに滞在するかに関わる情報です。滞在先のホテルを書くケースが一般的で、こちらは住所を入れます。書き方はESTAの米国内の連絡先(U.S. Point of Contact)の書き方にまとめています。
滞在先住所そのものの入れ方はESTAの米国滞在先住所(Address While In The U.S.)の書き方を参照してください。
二つを取り違えると、日本の家族の名前が滞在先として登録されたり、逆にホテルのフロントが緊急連絡先になったりします。どちらも実害がすぐ出るものではありませんが、聞かれている内容と違うことを書いている状態なので、直しておくに越したことはありません。
氏名の書き方
緊急連絡先の氏名は、パスポートのようにローマ字で入れます。相手のパスポートを見る必要はありませんが、ヘボン式で書いておけば十分です。
- Family Name(姓)
- YAMADA
- First (Given) Name(名)
- HANAKO
姓と名の順序を取り違えないでください。日本語の順で「HANAKO YAMADA」と書いてしまうと、姓が HANAKO として登録されます。どちらがどちらか分からなくなったらGiven Name と Surname の意味を確認してください。
長音の扱いも申請者本人の氏名と同じ考え方でよく、佐藤なら SATO、大野なら ONO と書きます。ローマ字の原則は日本人の氏名をローマ字で書く方法に整理しています。
ミドルネームの欄が出る場合、日本のパスポートには通常ないので空欄で構いません。旧姓や通称を書く欄ではありません。申請者本人の旧姓についてはESTAの別名(Other Names Used)欄の書き方を参照してください。
電話番号は国番号81・先頭の0を落とす
電話番号の欄は、国番号(Country Code)と番号本体が分かれています。ここで最も多い間違いは、先頭の0を残したまま入力することです。
090-1234-5678 の場合 Country Code:81(Japan) Phone Number:9012345678
国番号81を付けたら、市外局番や携帯番号の先頭にある0は書きません。0を残して 81-090-... とすると、国際電話としては繋がらない番号になります。
固定電話も同じです。03-1234-5678 なら 312345678、06-1234-5678 なら 612345678 と入れます。
ハイフンは入れないほうが無難です。桁数の検証で弾かれることがあります。国際表記の考え方は日本の電話番号を国際表記にする方法にまとめました。
メールアドレスは半角で、実際に受信できるものを入れてください。相手が普段使っていないアドレスを書くと、連絡先として意味がなくなります。
相手に一言伝えておく
書類上の話とは別に、実務として大事なことがあります。緊急連絡先に指定した相手に、そのことを伝えておいてください。
本人が知らないまま登録されていると、いざ英語で連絡が入ったときに理解されずに切られます。旅程(渡航日・帰国日・滞在都市)と、滞在先の名前くらいは共有しておくと、相手が答えられる範囲が広がります。
あわせて、渡航中に自分と連絡が取れる手段も伝えておくと確実です。海外でつながる番号やSIMの用意については、渡航前に決めておくと慌てません。
なお、緊急連絡先の登録内容が渡航の可否を左右するものではありません。連絡がつく相手を正確に書く、それだけで足ります。
ESTA申請の他の欄
緊急連絡先の前後にも、日本人が迷いやすい欄が並びます。
住所欄:日本の住所を英語の語順に並べ替えて入れます。ESTAの住所欄の書き方に、Address Line 1・2 と City、State、ZIP の対応を整理しています。
出生地:市区町村名だけを書きます。ESTAの出生地(City of Birth)欄の書き方を参照してください。
国民識別番号:ESTAの国民識別番号(National Identification Number)欄の書き方で扱っています。
両親の氏名:ESTAの両親の氏名欄の書き方にまとめました。
勤務先:ESTAの勤務先・雇用主情報の書き方を参照してください。
Global Entry会員番号:ESTAのGlobal Entry会員番号(PASSID)欄の書き方で、該当しない場合の扱いを解説しています。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。ESTAの住所欄に入れる Address Line 1・2、City、State、ZIP Code をそのまま写せる形で確認できます。変換はブラウザ内で完結し、入力内容が外部に送信されることはありません。
まとめ
ESTAの緊急連絡先は、米国内の人を探す欄ではありません。見出しに in or out of the U.S. と書かれているとおり、日本の家族で構いません。氏名はローマ字で姓と名を正しい欄に、電話は国番号81を選んで先頭の0を落とす。メールは実際に受信できるものを入れる。そして、指定した相手に一言伝えておく。これで終わりです。旅程を書く米国内の連絡先欄とは別の欄なので、混同しないでください。申請の要件や画面の仕様は変わることがあるため、申請前に公式サイトで確認してください。