ESTAの申請画面を進むと、パスポート情報のあたりに Global Entry の会員番号を尋ねる欄が出てきます。GE Membership Number、PASSID、Known Traveler Number と、画面や年によって呼び名が揺れるうえ、日本語の案内でも説明が短く、何を入れる欄なのか分からないまま手が止まります。結論を先に言うと、ほとんどの日本人には無関係な欄です。この記事では、この欄が何なのか、入れるべき人は何を入れるのかを整理します。
そもそも Global Entry とは
Global Entry は、米国に入国する際の審査を専用キオスクで短時間に済ませられる、米国税関国境警備局(CBP)の事前審査プログラムです。会員になるには別途の申請、審査料の支払い、そして米国内の登録センターでの対面インタビューが必要です。ESTAとはまったく別の制度で、ESTAを取ったからといって自動的に会員になるわけではありません。
日本国籍者も申請できる枠組みは用意されていますが、日本側の事前手続きを経る必要があるなど、条件と手順が別にあります。会員になった覚えがなければ、まず会員ではありません。
つまりこの欄は「持っている人だけが埋める欄」です。持っていない人が何かを調べて埋める欄ではありません。空欄のまま次へ進んでください。制度の対象・費用・手続きは変わることがあるため、会員になることを検討する場合は公式の案内を確認してください。
ほとんどの人は空欄でよい
この欄は任意入力です。空欄のまま次の画面へ進めます。入力しなかったことでESTAの審査に不利になることはありません。
注意したいのは、空欄が不安になって何かを入れてしまうケースです。実際にありがちなのが次のような入力です。
- パスポート番号を入れる
- マイナンバーを入れる
- 航空会社のマイレージ番号を入れる
- 予約番号を入れる
いずれも誤りです。この欄に入った番号は照会にかけられるので、無関係な番号を入れると一致するものが見つからず、確認に時間がかかることがあります。分からないなら埋めない。これが正解です。
同じ考え方が他の任意欄にも当てはまります。ESTAの国民ID番号(National Identification Number)も、日本人には該当するものがないため原則として空欄です。詳しくはESTAの国民ID番号の書き方にまとめています。
会員の場合に入れる番号(PASSID)
Global Entry会員が入力するのは PASSID です。9桁の数字で、次の場所で確認できます。
- Global Entry のカード裏面に印字された PASSID の表記
- Trusted Traveler Programs のオンライン会員ページにログインしたときのダッシュボード
- 承認時に届いた通知
間違えやすいのが、カード表面に大きく書かれている番号です。あれはカード番号であって PASSID ではありません。桁数も用途も違います。会員ページで確認するのが確実です。
入力は半角数字のみです。ハイフンやスペースを入れないでください。先頭のゼロがある場合はゼロも含めて桁数どおりに入力します。表計算ソフトなどからコピーすると先頭のゼロが落ちていることがあるので、桁数を数えて確かめてください。
PASSID・KTN・GE番号は同じものか
呼び名が3つあるので混乱しますが、Global Entry会員にとっては実質的に同じ番号を指しています。
PASSID:CBPの信頼できる渡航者プログラム(Trusted Traveler Programs)で発行される会員識別番号。Global Entry の会員ページで PASSID として表示されます。
Known Traveler Number(KTN):航空券の予約時に入力すると TSA PreCheck の対象になる番号。Global Entry会員の場合、この KTN として使うのが PASSID です。
GE Membership Number:ESTAの画面での呼び方。指しているのは PASSID です。
したがって、Global Entry会員なら「会員ページに出ている PASSID を入れる」で3つとも片が付きます。
ややこしいのは、TSA PreCheck だけに単独で登録している人です。この場合に発行される KTN は Global Entry の PASSID ではありません。ESTAのこの欄は Global Entry を尋ねているので、Global Entry の会員でないなら空欄のままにしてください。判断に迷う場合は、会員ページにログインして PASSID の表示があるかどうかで確認できます。
入力しても入国が保証されるわけではない
Global Entry会員であっても、ESTAの審査結果や入国の可否が保証されるものではありません。会員資格は入国審査の手続きを速くする仕組みであって、入国許可そのものとは別です。
また、この欄にPASSIDを入れたからといって、その渡航で必ず専用キオスクを使えるとも限りません。キオスクの設置状況や運用は空港ごとに違います。
ESTAは渡航認証であり、実際の入国可否は到着時の審査官の判断によります。この点はESTA全般に共通する前提です。要件や運用は変更されることがあるので、渡航前に公式サイトで最新の案内を確認してください。
ESTAで他に手が止まりやすい欄
この欄を越えたあとも、日本人が詰まりやすい箇所がいくつかあります。
- 住所欄(Address Line 1・2、State/Province)
- ESTAの住所欄の書き方
- 出生地(City of Birth)
- ESTAの出生地欄の書き方
- 別名・旧姓(Other Names Used)
- ESTAの別名・旧姓欄の書き方
- 両親の氏名
- ESTAの両親の氏名欄の書き方
- 勤務先・雇用主
- ESTAの勤務先・雇用主情報の書き方
- 米国内連絡先(Point of Contact)
- ESTAの米国内連絡先の書き方
- 米国滞在先住所(Address While In The U.S.)
- ESTAの米国滞在先住所の書き方
他国の渡航認証でも似た構成の欄が並びます。イギリスのETA(イギリスETA申請の住所入力)、カナダのeTA(カナダeTA申請の住所入力)、オーストラリア・ニュージーランド(オーストラリアETA・NZeTA申請の住所入力)も同じ考え方で埋められます。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。ESTAの住所欄に入れる Address Line 1・2、City、State/Province、ZIP をそのまま写せる形で確認できます。変換はブラウザ内で完結し、入力内容が外部に送信されることはありません。
まとめ
Global Entry会員番号の欄は任意入力です。会員でなければ空欄のままで構いません。不安になって無関係な番号を入れると、照会で一致せず確認に時間がかかることがあります。会員の場合は、カード表面の番号ではなく会員ページに表示される9桁の PASSID を、半角数字だけで入力してください。PASSID・KTN・GE Membership Number は、Global Entry会員にとっては同じ番号を指しています。制度の要件や画面の仕様は変わることがあるため、申請前に公式サイトで確認してください。