ESTA(米国の電子渡航認証)の申請で最初に入力するのが、申請者本人とパスポートの情報です。住所や勤務先と違い、ここは「自分で英語に直す」部分がほとんどありません。パスポートの券面に書かれているとおりに写すのが正解です。それでも、発行日と有効期限の取り違え、数字の0と英字のOの打ち間違い、他の国籍の質問の読み違えは毎年多く起きています。この記事では、ESTAのパスポート情報欄を、日本のパスポートのどこを見れば埋まるかという順番で整理します。
パスポート情報欄で聞かれる項目
ESTAの申請者情報(Applicant Information)のページでは、主に次の項目を入れます。
- Family Name / Surname(姓)
- First (Given) Name(名)
- Gender(性別)
- Date of Birth(生年月日)
- City of Birth / Country of Birth(出生地の都市・国)
- Country of Citizenship/Nationality(国籍)
- Passport Number(旅券番号)
- Issuing Country(発行国)
- Passport Issuance Date(発行日)
- Passport Expiration Date(有効期限)
- Personal Identification Number(国民識別番号)
- 他の国籍・市民権、他国のパスポートに関する質問
申請の方法によっては、パスポートの顔写真ページを撮影・読み取りさせて、氏名や番号を自動で入れる仕組みが案内されています。自動で入った場合も、送信前に1文字ずつ券面と照らし合わせてください。項目の並びや名称は変わることがあるため、最終的には申請画面の表示に従います。
日本のパスポートのどこを見るか
日本のパスポートの顔写真ページには、項目名が日本語と英語で並んで書かれています。ESTAの欄と対応させると次のとおりです。
- 型 / Type:P(ESTAでは入力しません)
- 発行国 / Issuing country:JPN → Issuing Country は JAPAN を選ぶ
- 旅券番号 / Passport No.:TK1234567 → Passport Number
- 姓 / Surname:ITO → Family Name
- 名 / Given name:RYUICHIRO → First (Given) Name
- 国籍 / Nationality:JAPAN → Country of Citizenship/Nationality
- 生年月日 / Date of birth:01 JAN 1990 → Date of Birth
- 性別 / Sex:M または F → Gender
- 本籍 / Registered Domicile:TOKYO(ESTAの出生地の欄とは別物)
- 発行年月日 / Date of issue:15 APR 2024 → Passport Issuance Date
- 有効期間満了日 / Date of expiry:15 APR 2034 → Passport Expiration Date
注意したいのは「本籍」です。券面の Registered Domicile は本籍の都道府県で、出生地ではありません。ESTAの City of Birth には生まれた市区町村を入れます。書き方はESTAの出生地(City of Birth)の書き方で解説しています。
氏名は券面の綴りを1文字も変えずに入れる
姓と名は、パスポートに印字されたローマ字をそのまま大文字で入れます。
- Family Name
- OHNO(パスポートが OHNO なら、ONO や OONO にしない)
- First (Given) Name
- YUUKI(パスポートが YUUKI なら YUKI にしない)
ヘボン式の正しい綴りかどうかではなく、券面と同じかどうかで判断します。航空会社は搭乗前に、ESTAとパスポートと航空券の氏名を照合します。1文字違うだけでも、認証が見つからないと判断されることがあります。
名が2語ある、ミドルネームがある場合も、券面の Given name 欄にあるとおりにスペースを含めて入れます。旧姓を併記している人は、括弧内の旧姓を名や姓の欄に足さず、「他の名前(Other Names)」の質問で答えます。詳しくはESTAの別名・旧姓(Other Names)の書き方を参照してください。
旅券番号は0とO、1とIの打ち間違いに注意
日本のパスポートの旅券番号は、英字2文字と数字7桁の組み合わせ(例:TK1234567)です。入力で多いミスは次の3つです。
- 1数字の0と英字のOを取り違える:先頭2文字は英字、後ろ7桁は数字です。後ろの7桁にOが入ることはありません
- 2数字の1と英字のIを取り違える:同じく、後ろ7桁は数字の1です
- 3全角で入れてしまう:日本語入力のまま打つと全角になり、エラーになったり別の番号として扱われたりします
ESTAは確認のため旅券番号を2回入力させる画面があります。1回目をコピーして貼り付けると、間違いも一緒に複製されます。2回とも券面を見ながら手で打つほうが、ミスに気づけます。
申請後に旅券番号の誤りに気づいた場合、本人を特定する情報は後から直せず、正しい番号で申請し直すのが基本です。扱いは変わることがあるため、公式サイト(esta.cbp.dhs.gov)の案内で確認してください。
発行日と有効期限は「日・月・年」の順で選ぶ
日付の欄は、日(Day)・月(Month)・年(Year)をプルダウンや入力欄で別々に指定する形式です。日本のパスポートの券面も「15 APR 2024」のように日・月・年の順で書かれているので、左から順に写せば合います。
記入例 Passport Issuance Date:Day 15 / Month APR / Year 2024 Passport Expiration Date:Day 15 / Month APR / Year 2034
取り違えやすいのは、発行日と有効期限を逆に入れるミスと、月と日を入れ替えるミスです。米国の日付は「月/日/年」で書くことが多いため、数字だけの欄では特に注意してください。月の英語略称(JAN・FEB・MAR…)の読み方は英語フォームの日付の書き方にまとめています。
パスポートの残りの有効期間が短い場合、ESTAの有効期限はパスポートの有効期限までになります。渡航中に切れる見込みなら、先にパスポートを更新してから申請するほうが確実です。
国籍と発行国:日本人は両方とも JAPAN
Country of Citizenship/Nationality(国籍)と Issuing Country(発行国)は、日本のパスポートで申請する日本国籍の人なら両方とも JAPAN を選びます。プルダウンで選ぶ形式なので、Japanese のような形容詞を入れる場面はありません。
海外に住んでいる日本人でも、日本のパスポートで申請するなら国籍・発行国は JAPAN です。住所の欄に入れる居住国とは別の質問です。居住国と国籍の違いは居住国・国籍の欄の違いで整理しています。
Personal Identification Number(国民識別番号)は、日本のパスポートには記載がありません。マイナンバーを入れる欄ではないので、画面の選択肢に従って Unknown(不明)などで進めます。詳しくはESTAの国民識別番号の欄を参照してください。
他の国籍・市民権の質問の答え方
パスポート情報の後に、他の国籍に関する質問が続きます。主に次のような内容です。
- Are you now a citizen or national of any other country?(現在、他の国の市民・国民ですか)
- Have you ever been a citizen or national of any other country?(過去に他の国の市民・国民だったことはありますか)
- Have you ever been issued a passport or national identity card for travel by any other country?(他の国からパスポートや渡航用の身分証の発行を受けたことはありますか)
日本国籍だけを持ち、過去にも他の国籍を持ったことがない人は、すべて No です。
海外で生まれて他の国籍を持っている、過去に持っていた、という人は、事実どおりに Yes を選び、国名や取得・喪失の方法を入力します。ここは「持っているはず」「たぶん失効した」ではなく、自分の状況を確かめて答える項目です。不明な点がある場合は、申請前に公式の案内や大使館・領事館の情報で確認してください。
送信前のチェックリスト
パスポート情報欄は、送信後に直せない項目が多い部分です。次の6点を、券面を手元に置いて確認してください。
- 1姓・名が券面と1文字も違わない(長音の扱い、OH・OO・Oの違い)
- 2旅券番号の先頭2文字が英字、後ろ7桁が数字になっている
- 3発行日と有効期限が入れ替わっていない
- 4生年月日の日と月が入れ替わっていない
- 5国籍・発行国が JAPAN になっている
- 6パスポートを更新した人は、新しいパスポートの番号と日付になっている
パスポートを更新すると、有効期間内のESTAがあっても新しいパスポートで申請し直す必要があります。住所欄の書き方はESTA申請の住所を英語に変換する方法で、勤務先欄はESTAの勤務先の書き方で解説しています。自宅住所は、郵便番号から欄ごとの値を作る「ESTA住所の英語変換ツール」(globalships.jp/tools/esta-address)でそのまま作れます。入力仕様は変更されることがあるため、最終的には申請画面とCBPの公式サイトの案内に従ってください。