カナダのeTA(電子渡航認証)は、住所やパスポート情報に続いて「職業と勤務先」を聞いてきます。ESTAの勤務先欄と違い、ここは自由入力ではなくプルダウンで職業分類を選ぶ方式です。自分の仕事がどの分類に当たるのか分からず手が止まる人が多い欄なので、この記事では分類の選び方と、区分ごとに何を入れればよいかを記入例つきで整理します。住所欄そのものの書き方はカナダeTAの住所の書き方にまとめています。
職業欄で聞かれる6項目
eTAの申請フォームで職業に関して聞かれるのは、おおむね次の6項目です。
- 1Occupation:職業の大分類(プルダウン)
- 2Job title:職種(1で選んだ分類に応じたプルダウン)
- 3Name of employer or school, as appropriate:勤務先名、学生なら学校名
- 4Country/Territory:勤務先(学校)がある国
- 5City/Town:勤務先(学校)がある都市
- 6Since what year?:その勤務先で働き始めた(在学を始めた)年
ポイントは、**勤務先の番地や郵便番号は聞かれない**ことです。国と都市の2つだけなので、勤務先住所を英語に直す手間はほとんどかかりません。また、1で「Retired(退職者)」「Homemaker(主婦・主夫)」「Unemployed(無職)」などを選ぶと、2〜5は表示されないか入力不要になります。
申請画面の項目名や選択肢は改定されることがあります。最終的には申請時の画面表示とカナダ政府(IRCC)の案内に従ってください。
Occupation(大分類)の選び方
大分類はカナダの職業分類に沿った英語の一覧です。日本の仕事に置き換えると、次の対応で考えると迷いません。
- Management occupations:経営者・役員・部長など管理職
- Business, finance and administration occupations:経理・人事・総務・一般事務・金融
- Natural and applied sciences and related occupations:エンジニア・プログラマー・研究職・建築士
- Health occupations:医師・看護師・薬剤師・介護職
- Occupations in education, law and social, community and government services:教員・弁護士・公務員・保育士
- Occupations in art, culture, recreation and sport:デザイナー・編集者・写真家・スポーツ関係
- Sales and service occupations:営業・販売・接客・飲食・美容
- Trades, transport and equipment operators and related occupations:運転手・整備士・建設・電気工事
- Natural resources, agriculture and related production occupations:農業・漁業・林業
- Occupations in manufacturing and utilities:工場勤務・製造オペレーター
このほか、Student(学生)、Homemaker(主婦・主夫)、Retired(退職者)、Unemployed(無職)、Military/Armed forces(自衛官など)が独立した選択肢として並びます。
「会社員」という分類はありません。会社員の場合は、会社の業種ではなく**自分が担当している仕事の中身**で選びます。メーカー勤務でも経理担当なら Business, finance and administration、営業担当なら Sales and service です。
Job title(職種)の選び方
Job title は大分類を選んだ後に出てくる2段目のプルダウンです。細かい職種名が並びますが、完全に一致するものを探す必要はありません。**最も近いものを1つ**選べば足ります。
迷ったときの考え方は3つです。
- 1役職ではなく仕事内容で選ぶ(課長でも営業なら営業系の職種)
- 2一覧に近いものが無ければ、同じ分類の中の一般的な職種を選ぶ
- 3管理職は Management occupations の中から担当部門に近いものを選ぶ
ここで実態と大きくかけ離れた職種を選ぶと、後から聞かれたときに説明がつかなくなります。正確さを詰めすぎる必要はありませんが、「無職なのに会社員の職種を選ぶ」といった明らかな不一致は避けてください。英語の職業名そのものの訳し方はイギリスETAの職業欄の書き方に一覧を置いています。
勤務先名・国・都市の入れ方(記入例)
勤務先名は、会社の英語表記をそのまま使います。自分で訳すより、登記上の英語商号や英文サイト・英語名刺の表記を優先してください。
記入例(東京都港区の会社に勤める経理担当) Occupation:Business, finance and administration occupations Job title:一覧から経理に近い職種 Name of employer or school:GlobalShips Co., Ltd. Country/Territory:Japan City/Town:Tokyo Since what year?:2019
City/Town は区名ではなく都市名で構いません。東京23区なら Tokyo、政令指定都市なら Yokohama、Osaka のように市名を入れます。支店勤務なら、本社ではなく**実際に勤務している事業所の都市**を入れます。
会社名に「&」や全角文字が含まれるとエラーになることがあります。「&」は and に、「株式会社」は Co., Ltd. などの英語表記に置き換えてください。法人格の英語表記は株式会社・合同会社を英語で書く方法で整理しています。
「Since what year?」は何年を書くか
Since what year? は「その勤務先(学校)にいつからいるか」という質問です。書くのは**西暦の年だけ**で、月日は不要です。
- 会社員:今の会社に入社した年(2019年4月入社なら 2019)
- 転職している:今の会社の入社年。前職の年は書かない
- 学生:今の学校に入学した年
- 退職者:退職した年
- 主婦(主夫)・無職:その状態になった年(退職・離職した年)
和暦で覚えている場合は必ず西暦に直してください。令和元年は2019年、平成31年も2019年です。入社年が正確に思い出せない場合は、雇用保険の資格取得日や社員証の記載で確認できます。
学生・主婦・退職者・無職・自営業の場合
雇用主がいない人は、無理に勤務先を作らず、該当する区分を選ぶのが正解です。
- 学生:Occupation に Student。Name of employer or school に学校名(例:Waseda University)、Country に Japan、City に学校の所在都市、Since what year? に入学年。アルバイト先を書く必要はありません
- 主婦(主夫):Homemaker。勤務先欄は出ないか空欄のまま
- 退職者:Retired。Since what year? に退職した年
- 無職・求職中:Unemployed。Since what year? に離職した年
- 自営業・フリーランス:仕事の中身で大分類を選び、Name of employer に屋号(無ければ自分の氏名)、City に事業所の都市
避けたいのは、勤務先が無いのに自宅の地名や家族の勤務先を入れることです。eTAは申請内容と入国審査での回答が食い違うと、説明を求められる原因になります。
ESTA・イギリスETAと表記を揃える
同じ時期にアメリカやイギリスへも渡航するなら、勤務先の英語表記は1つに揃えておくと楽です。
- ESTA:勤務先名に加えて勤務先の住所・電話番号まで聞かれます。書き方はESTAの勤務先・雇用主情報の書き方
- イギリスETA:職業を自由入力で書く方式です(イギリスETAの職業(Job title)欄の書き方)
- カナダeTA:分類をプルダウンで選び、勤務先は国と都市だけ
どれも「会社名の英語表記」が共通の部品です。一度決めた表記(例:GlobalShips Co., Ltd.)をメモしておき、どの申請にも同じ文字列を貼り付けてください。居住国と国籍の欄の違いはCountry of ResidenceとCitizenship・Nationalityの違いにまとめています。
GlobalShipsで住所欄もまとめて準備
職業欄の次に続く自宅住所の欄は、番地(Street number)と町名(Street name)が別の欄に分かれているのがカナダeTAの特徴です。GlobalShips(globalships.jp)は郵便番号を入れるだけで都道府県・市区町村を自動補完し、英語表記の住所を欄ごとに分けて出力する無料ツールです。処理はすべてブラウザ内で完結し、入力した住所がサーバーに送信されることはありません。
申請全体の流れの中で日付欄の形式(DD/MM/YYYY)に迷ったら海外フォームの日付入力も参照してください。