カナダeTA(電子渡航認証)の申請画面では、パスポート・個人情報・職業・住所などを入力したあとに「背景に関する質問(Background questions)」が出てきます。過去の拒否歴、犯罪歴、健康状態を聞く質問で、Yes を選ぶと英語で補足を書く欄が開きます。この記事では、各質問が何を聞いているかを日本語で整理し、迷いやすいケースと補足欄の書き方をまとめます。質問の文言は変わることがあるため、最終的には申請時の画面の英文と、カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)の公式案内で確認してください。
背景に関する質問はどこで出るか
カナダeTAの申請は、おおむね次の順で進みます。
- 1申請前の確認(渡航手段・パスポートの種類・国籍)
- 2パスポート情報
- 3個人情報(氏名・生年月日・出生地・婚姻状況)
- 4職業・勤務先
- 5連絡先・住所
- 6渡航情報(渡航予定日など)
- 7背景に関する質問
- 8同意・署名と支払い
背景に関する質問はラジオボタンで Yes/No を選ぶ形式です。ESTA(米国)の適格性の質問より問数は少ないものの、Yes のときの補足欄が自由記述になっている点が違います。
質問の内容(要約)
質問の要点を日本語にまとめると次のとおりです。正確な文言は申請画面で確認してください。
- 1カナダまたは他の国で、ビザ・許可証を拒否されたこと、入国を拒否されたこと、出国を命じられたことがあるか
- 2いずれかの国で、犯罪をした・逮捕された・起訴された・有罪になったことがあるか
- 3過去2年以内に結核と診断された、または結核の人と濃厚接触したことがあるか(Yes のとき、医療従事者かどうかなどの追加質問が出ることがある)
- 4治療していない梅毒、治療していない薬物・アルコール依存、治療していない精神疾患(精神病性のもの)のいずれかがあるか
- 5Additional details:申請に関係する補足があれば書く自由記述欄
1と2は「カナダ以外の国」も対象です。米国のESTAが不許可になった、他国で入国を拒否された、といった経歴も含まれる書き方になっています。
答え方の原則
- 事実どおりに答える:eTAは事前の審査です。空港やカナダ到着時に事実と違うことが分かると、虚偽申告(misrepresentation)として扱われ、一定期間カナダへ入国できなくなることがあります
- ever(これまでに)と any country(どの国でも)を読み落とさない:昔のこと、日本や第三国でのことも対象です
- 家族分は1人ずつ答える:子どもの分を親が申請するときも、質問はその子ども本人について答えます
- Yes でも即不許可とは限らない:内容によって審査されます。追加の書類を求められたり、ビザの申請を案内されたりすることがあるので、渡航日が近い場合は早めに申請してください
迷いやすいケース
よく相談されるケースの考え方です。個別の判断は IRCC の公式案内や在日カナダ大使館の情報で確認してください。
- 米国のESTAが不許可になった、米国ビザを却下された:質問1は「他の国」も対象です。該当する可能性が高いため、事実を補足欄に書きます
- 飲酒運転:カナダでは飲酒運転は重い犯罪として扱われ、日本で罰金刑を受けた場合も入国が問題になることがあります。逮捕・罰金刑などがあれば質問2は Yes として、時期と内容を書きます
- 反則金(青切符)だけで済んだ交通違反:一般に犯罪歴には当たらないとされますが、判断に迷う場合は公式の案内を確認してください
- 不起訴・執行猶予:質問2は「逮捕された・起訴された」も聞いています。結果が不起訴でも、逮捕されたことがあれば該当します
- 持病で通院している:質問4が聞いているのは、治療していない特定の病気です。一般的な持病の治療中であることだけでは、通常は該当しません
- 結核の予防接種(BCG)を受けた:接種したことは「診断された」には当たりません
Yes と答えたときの補足欄の書き方
Yes を選ぶと、内容を英語で説明する欄が開きます。長い説明は不要で、審査する人が事実を確認できる情報を短く並べます。
書く要素:いつ(年月)・どこで(国)・何があったか・結果(処分や却下の理由が分かればその内容)
記入例(米国ESTAが不許可): My ESTA application for the United States was not authorized in June 2024. I later obtained a B1/B2 visa in September 2024.
記入例(日本での飲酒運転): In March 2019, I was fined 300,000 yen in Japan for driving under the influence of alcohol. No other offences.
記入例の金額・日付は架空のものです。自分の事実に置き換え、判決書・略式命令の書類など、内容を確認できるものを手元に用意しておくと、追加書類を求められたときに対応できます。
Additional details(補足欄)に書くこと
最後の Additional details は、申請に関係する補足を書く任意の欄です。特に伝えることがなければ空欄で構いません。
書くとよい例: ・急いでいる事情(家族の危篤・急な出張など):I need to travel urgently on 15 November due to a family emergency. ・氏名の綴りがパスポートと他の書類で違う事情 ・質問に Yes と答えた件で、補足欄に入り切らなかった説明
書かなくてよい例: ・旅行の日程や観光地の説明 ・ホテルの予約情報
急ぎの事情を書いても審査が必ず早くなるわけではありません。渡航日が決まったら、早めに申請するのが確実です。
誤って答えたとき・送信後に気づいたとき
支払い前であれば、確認画面から該当の質問に戻って選び直せます。支払い後は回答を修正できないため、原則として新しく申請し直します。新しい申請には手数料がかかり、扱いは IRCC の案内に従います。
Yes と No の押し間違いは、スマートフォンで申請するときに起こりやすいミスです。送信前の確認画面で、質問ごとに回答を見直してください。
申請番号(eで始まる番号)は、問い合わせや状況確認に使うので控えておきます。
背景に関する質問の前に入力する欄
背景に関する質問の前の欄は、次の記事で解説しています。
- パスポート・個人情報:カナダeTAのパスポート・個人情報欄の書き方
- 職業・勤務先:カナダeTAの職業・勤務先欄の書き方
- 住所:カナダeTA申請の住所入力
住所欄に入れる値は「カナダeTA住所の英語変換ツール」(globalships.jp/tools/canada-eta-address)で、郵便番号から欄ごとに作れます。米国のESTAの同種の質問はESTAの適格性に関する質問の答え方で解説しています。