英語の住所や送り状で見かける「Attn:」と「c/o」。どちらも人名の周りに付きますが、役割はまったく違います。取り違えると、会社で担当者に回らない、ホテルで受け取れない、家族宛の荷物が返送される、といったことが起きます。この記事では2つの違いと、場面ごとの書き方を記入例つきで整理します。
Attn と c/o の違いを一文で
Attn(attention の略)は「この建物の中の誰に渡すか」の指定です。宛先の組織に受取人が所属していることが前提になります。
c/o(care of =気付)は「本来そこに住んでいない人への荷物を、誰の名義で預かってもらうか」の指定です。受取人が宛先に所属していないことが前提です。
判断は単純で、宛先の建物(表札・郵便受け・受付名簿)に自分の名前があるかどうかです。あるなら Attn、無いなら c/o になります。
表記のゆれについても触れておきます。Attn は「Attn:」「ATTN:」「Attention:」のいずれでも通じます。c/o は「c/o」「C/O」「℅」がありますが、手書き以外では「c/o」を使ってください。℅ は環境によって文字化けします。
会社の担当者宛に送る(Attn)
会社宛の荷物は、受付や総務が一括で受け取ってから中で回されます。だから「誰に渡すか」を明示する必要があります。
記入例:
GlobalShips Co., Ltd. Attn: Taro Yamada, Sales Department 2-16-3 Konan, Minato-ku Tokyo 108-0075, Japan
順番は、会社名 → Attn 行 → 住所です。会社名を先に置くのが要点で、配達員が最初に照合するのは建物と会社名だからです。個人名を上に置くと、受付で「そんな人はいない」と判断されて返送されることがあります。
部署名まで書くと社内で回りやすくなります。部署名の英語は Sales Department(営業部)、Accounting Department(経理部)、General Affairs Department(総務部)が一般的です。
会社名そのものの英語表記(Co., Ltd. / Inc. / K.K. の使い分け)は会社・法人住所の英語表記にまとめています。
ホテルに滞在中の自分宛に送る(c/o)
旅行先のホテルで荷物を受け取る場合、あなたはそのホテルの住人ではありません。だから c/o を使います。
記入例:
Taro Yamada c/o Hotel Grand Tokyo Guest arriving Oct 5, 2026 1-1-1 Marunouchi, Chiyoda-ku Tokyo 100-0005, Japan
受取人名を最上段、その下に c/o ホテル名を置きます。会社宛と上下が逆になる点に注意してください。会社は「組織に属する個人」なので組織が先、ホテルは「よその建物で預かってもらう個人」なので個人が先です。
チェックイン日を書き添えると、フロントが保管しやすくなります。到着前に届いた荷物を受け付けるかはホテルの方針次第なので、高額品や期限のあるものを送るなら事前に許可を取ってください。無断で送ると受取拒否されることがあります。
ホテル側の住所を予約確認メールから読み取る手順は海外ホテル予約の住所入力で扱っています。
家族・知人の家で受け取る(c/o)
一人暮らしを始める前や、長期不在中に実家で受け取る場合も c/o です。
記入例:
Taro Yamada c/o Hanako Yamada 2-16-3 Konan, Minato-ku Tokyo 108-0075, Japan
ここでの c/o の下に書くのは、その住所の表札・郵便受けに出ている名前です。同姓なら省いても届きますが、姓が違う場合(結婚前の知人宅、シェアハウスなど)は必ず書いてください。表札と宛名が一致しないと、配達員は「該当者なし」と判断します。
海外から届く国際便では、この判断がより厳格になります。国内の宅配便なら投函されるケースでも、国際郵便では返送されることがあります。返送は日本国内の再配達と違い、差出国まで戻るため取り戻すのに数週間かかります。
シェアハウスや社員寮で部屋番号が振られている場合は、c/o ではなく部屋番号で特定するほうが確実です。部屋番号の書き方はビル名・階数・部屋番号の英語表記にまとめています。
転送サービス・代理購入での使い分け
海外通販の転送サービスを使うとき、業者から「Suite番号」や「会員番号」を指定されます。これは c/o とは別物です。
転送業者は1つの倉庫住所に何千人分もの荷物を受け入れるため、会員番号で仕分けます。指定された番号を Address Line 2 や Suite 欄に入れてください。ここに c/o 自分の名前と書いても仕分けられません。
記入例(業者指定に従うのが原則です):
Taro Yamada 1234 Warehouse Blvd, Suite #A-5678 Portland, OR 97203, USA
一方、代理購入を頼んだ相手の住所へ直接送ってもらう場合は c/o を使います。「Taro Yamada, c/o Jane Smith」のような形です。
転送サービスの登録手順は転送サービスの住所を英語で登録する方法にまとめています。
よくある間違い
- 1会社宛で個人名を最上段に置く:受付が照合するのは会社名です。会社名を先に置いてください。
- 2c/o の下に自分の名前を書く:c/o の後ろに来るのは「預かってくれる人(または組織)」の名前です。自分の名前は c/o の上です。
- 3Attn と c/o を両方付ける:どちらか一方です。両方書くと、どちらの名義で受け取るのかが曖昧になります。
- 4℅ を使う:文字化けの原因です。「c/o」と書いてください。
- 5表札と違う名前で c/o を書く:郵便受けや表札に出ている名前でないと意味がありません。
- 6通関書類の受取人名と宛名が食い違う:国際便では、インボイスの Consignee と送り状の宛名が一致している必要があります。c/o を使う場合は両方に同じ形で書いてください。
そのほかの住所の書き間違いは英語住所でよくある間違いにまとめています。
GlobalShipsで住所部分を正確に作る
Attn や c/o は宛名の話で、その下に続く住所そのものは通常どおりの英語表記です。GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を国際標準の英語表記に変換する無料ツールです。番地・市区町村・都道府県・郵便番号に分けて出力するので、宛名行の下にそのまま貼り付けられます。処理はすべてブラウザ内で完結し、住所や氏名が外部に送信されることはありません。
まとめ
Attn は建物の中の誰に渡すかの指定で、会社名の下に置きます。c/o はよその住所で預かってもらうための指定で、受取人名の下に置きます。判断は「宛先の表札や名簿に自分の名前があるか」で決めてください。あれば Attn、無ければ c/o です。
宛名が長くなって欄に入りきらない場合は英語住所が文字数制限で入りきらないとき、住所全体の並びは日本の住所を英語で書く方法を参照してください。略語の意味は英語住所の略語一覧にまとめています。