海外の住所を見ていると St.、Ave.、Ste.、Apt. といった略語が並んでいて、意味が取りづらいことがあります。逆に自分の住所を英語で書くときも、どこまで略していいのか判断に迷います。この記事では、住所で使われる略語を「日本の住所を書くときに使うもの」と「海外の住所を読むときに出てくるもの」に分けて整理します。
日本の住所を英語で書くときに使う略語
日本の住所で実際に使う略語は多くありません。次の範囲を覚えておけば十分です。
Bldg.(Building)= ビル・建物。例:GlobalShips Bldg. F / Fl.(Floor)= 階。例:5F、5th Fl. B1F(Basement 1 Floor)= 地下1階 Rm.(Room)= 部屋。例:Rm. 501 Apt.(Apartment)= 集合住宅の住戸 #(number sign)= 番号。部屋番号の前に置く。例:#501 Pref.(Prefecture)= 県。例:Nagano Pref. c/o(care of)= 〜気付。他人・他社の住所で受け取るとき Attn.(Attention)= 〜宛て。部署や担当者を指定するとき
このうち日常的に使うのは Bldg.、F、#、c/o の4つ程度です。
都道府県・市区町村は略さずローマ字のまま
日本の行政区画は、略語ではなくローマ字のサフィックスをそのまま付けます。これは略語ではなく日本語の一部なので、英訳も省略もしません。
-ken(県)/-fu(府)/-to(都)/-do(道) -shi(市)/-ku(区)/-cho・-machi(町)/-mura・-son(村)/-gun(郡)
例:長野県北安曇郡白馬村 → Hakuba-mura, Kitaazumi-gun, Nagano
都道府県名は、実務上サフィックスを省くのが一般的です。「Tokyo-to」より「Tokyo」、「Osaka-fu」より「Osaka」のほうが自然で、配達にも支障ありません。県だけは Pref. を付けて「Nagano Pref.」と書くこともありますが、これも省略して「Nagano」で通ります。
一方、市区町村の -shi / -ku は残したほうが安全です。「Minato」だけだと他の地名と紛れるため、「Minato-ku」と書きます。都道府県の一覧表記は都道府県の英語表記一覧にまとめてあります。
Apt / Ste / Unit / Rm の違い
いずれも「建物の中の一区画」を指しますが、使われる文脈が違います。
- Apt.(Apartment)
- 居住用の住戸。集合住宅に使う
- Ste.(Suite)
- 業務用の区画。オフィスビルのテナントに使う。主に北米
- Unit
- 居住・業務どちらにも使う汎用語。イギリス・オーストラリア・カナダで多い
- Rm.(Room)
- 文字どおり部屋。日本の住所ではこれが最も汎用的
日本の住所を英語で書く場合、居住用なら Apt. か #、オフィスなら Room か Ste. を使えば自然です。厳密な使い分けを間違えても配達には影響しません。
注意したいのは Suite の略「Ste.」です。フランス語の Sainte の略とも重なるため、海外の住所を読むときは前後の文脈で判断してください。住所の途中に数字と並んで出てきたら、ほぼ確実に Suite です。
海外の住所で出てくる道路の略語
海外の住所を受け取ったとき、番地の後ろに付く語が道路の種類を表します。意味が分かると住所の構造が読めるようになります。
St.(Street)= 街路。最も一般的 Ave.(Avenue)= 大通り。米国では Street と直交する通りに使うことが多い Rd.(Road)= 道路 Blvd.(Boulevard)= 広い並木道 Dr.(Drive)= 曲線を描く道。住宅地に多い Ln.(Lane)= 細い道 Ct.(Court)= 行き止まりの区画 Pl.(Place)= 短い通り・広場 Sq.(Square)= 広場 Ter.(Terrace)= 段状の通り Pkwy.(Parkway)= 公園道路 Hwy.(Highway)= 幹線道路 Cir.(Circle)= 環状路
また方角の略語が前後に付くことがあります。N(North)、S(South)、E(East)、W(West)、NE・NW・SE・SW。例:123 NW 5th Ave. は「北西5番通り123番地」という意味です。
これらは相手の住所を読むための知識で、日本の住所を書くときには使いません。日本の住所には通り名がないため、番地の数字をそのまま並べます。
その他よく見る略語
PO Box(Post Office Box)= 私書箱。「P.O. Box 123」のように書く RR(Rural Route)= 郡部の配達ルート。北米の田舎の住所で見る Ph. / Tel.= 電話番号 ZIP(Zone Improvement Plan)= 米国の郵便番号。ZIP Code Postcode / Postal Code = 米国以外での郵便番号の呼び方 State = 州。日本の住所では都道府県を入れる欄 Province = 州・省。カナダ・中国などで使う County = 郡。米国・イギリスの行政区画 Attn. = 宛先の担当者指定 Dept.(Department)= 部署 Co., Ltd.(Company, Limited)= 有限責任会社 Inc.(Incorporated)= 法人
海外フォームで State や ZIP が必須なのに日本に該当がない、というつまずきは頻出です。State には都道府県を、ZIP には日本の郵便番号(ハイフンあり・なしはフォーム次第)を入れます。この件は海外フォームで住所が弾かれるときで詳しく扱っています。
ピリオドは付けるか、大文字はどうするか
【ピリオド】 単語を途中で切った略語にはピリオドを付けるのが伝統的な書き方です(Bldg.、Ave.、Apt.)。一方、先頭と末尾の文字を残した短縮形にはピリオドを付けない流儀もあります(Dr、Ltd)。
実務上はどちらでも通ります。米国はピリオドを付ける傾向、イギリスは付けない傾向がありますが、配達に影響はありません。ひとつの住所の中で混在させないことだけ気をつけてください。
【大文字・小文字】 略語の先頭は大文字にします(Bldg. であって bldg. ではない)。住所全体を大文字にする書き方(TOKYO 100-0005 JAPAN)も国際郵便では推奨されており、特に国名は大文字で書くと通関で見落とされにくくなります。
【全角文字】 全角の英数字(Apt.#501)は海外のシステムで文字化けするか、入力時点で弾かれます。必ず半角で入力してください。
略してよい場面と、略さないほうがいい場面
【略してよい】 ・海外通販の配送先入力(文字数制限があるため、むしろ略したほうが収まる) ・名刺やメール署名(見た目が整う) ・宛名ラベル
【略さないほうがいい】 ・ビザ・入国関連の申請書:審査側が日本の住所に不慣れなため、Bldg. などの略語も含めて情報を減らさないほうが安全です ・税関告知書・インボイス:通関の担当者が読むため、曖昧さを減らします ・銀行の口座開設や送金の受取人住所:本人確認書類の記載と一字一句合わせる必要があるため、書類側が略していなければこちらも略しません ・公的書類の英訳(住民票・戸籍):原本の表記に忠実に訳します
原則として「審査や照合が入る書類では略さない」と覚えておけば判断できます。配達だけが目的なら略して構いません。
早見表
【日本の住所で使う】 Bldg. … ビル F / Fl. … 階 B1F … 地下1階 Rm. … 部屋 Apt. … 住戸 # … 番号 Pref. … 県 c/o … 〜気付 Attn. … 〜宛て
【海外の住所で読む】 St. … Street(街路) Ave. … Avenue(大通り) Rd. … Road(道路) Blvd. … Boulevard(並木道) Dr. … Drive Ln. … Lane Ct. … Court Pl. … Place Sq. … Square Hwy. … Highway Ste. … Suite(区画) Unit … 区画 PO Box … 私書箱 N / S / E / W … 東西南北
【欄の名前】 State / Province … 都道府県を入れる ZIP / Postcode … 郵便番号を入れる County … 郡(日本では空欄で可)
GlobalShipsで略語を気にせず英語住所を作る
GlobalShips(globalships.jp)では、日本語の住所を入力するだけで、略語や区切り記号の付いた英語表記を自動で生成します。ビル名や部屋番号を含めても並び順が崩れず、半角での出力になるため、フォームで弾かれる全角混入も起きません。EMS・FedEx・DHL・UPSなど配送業者ごとの書式にも切り替えられます。完全無料でご利用いただけます。
まとめ
住所の略語は数は多いものの、日本の住所を書くときに実際に使うのは Bldg. / F / Rm. / # / c/o 程度で足ります。残りは海外の住所を読むための知識と割り切って構いません。判断に迷ったら「略さない」を選べば、配達でも審査でも問題は起きません。逆に文字数制限で入り切らないときは、番地と郵便番号を最優先に残し、建物名や階から削っていきます。具体的な書き順はビル名・階数・部屋番号の英語表記で記入例つきで解説しています。