香港とシンガポールは日本からの越境ECや個人発送の人気宛先で、どちらも英語が公用語のため英語住所での発送が基本です。ただし郵便番号の扱いは対照的で、香港には郵便番号が存在せず、シンガポールは6桁のポストコードが仕分けの要になります。本記事では、両地域向けの英語住所の書き方と、差出人となる日本の住所の英語化を解説します。
香港の住所の書き方(郵便番号なし)
香港には郵便番号(ポストコード)がありません。住所は建物内の部屋・階から始めて、建物名→通り名・番地→地区→エリア(Kowloon=九龍、New Territories=新界、または Hong Kong Island)の順で書きます。記入例:
CHAN TAI MAN Flat 5, 12/F, Global Tower 88 Nathan Road Tsim Sha Tsui, Kowloon HONG KONG
「12/F」は12階、「Flat 5」は5号室を表します。郵便番号欄がある海外フォームでは、香港は空欄のままか「00000」を入れると通ることが多いです。
シンガポールの住所の書き方(6桁ポストコード)
シンガポールは6桁のポストコードが住所仕分けの中心です。ポストコードだけで建物が特定できるほど精緻に運用されています。書き方は部屋・階(#で表記)→ブロック番号+通り名→Singapore+6桁ポストコードの順です。記入例:
TAN AH KOW Block 123, #12-34 Ang Mo Kio Avenue 3 Singapore 560123
「#12-34」は12階34号室、「Block 123」は集合住宅の棟番号です。Singaporeの後ろに6桁のポストコードを必ず添えます。
差出人(日本)の住所を英語で書く
国際発送では、配達不能時に返送されるよう差出人(自分の日本住所)も英語で書きます。日本語と逆順に「番地→町名→市区町村→都道府県→郵便番号→JAPAN」で並べます。例:「大阪府大阪市中央区心斎橋1-2-3」→「1-2-3 Shinsaibashi, Chuo-ku, Osaka 542-0085, JAPAN」。日本の住所の英語化ルールは日本の住所を英語で書く方法で詳しく解説しています。EMSの送り状の書き方はEMSで海外に荷物を送る方法も参照してください。
香港の住所を読み解く(Flat・Floor・Block・Tower・Estate)
香港の住所は略語の塊で、慣れないとどこが部屋でどこが建物か分かりません。左から順に小さくなる、とだけ覚えれば読めます。
- Flat / Unit / Rm.
- 部屋番号。Flat 5 は5号室。
- /F
- 階。12/F は12階。G/F は地上階(日本でいう1階)、UG/F はその上の中2階です。
- Block / Tower
- 大規模マンションの棟。Block C、Tower 2 のように使います。
- Estate / Court / Garden / Mansion
- 団地・集合住宅の名称です。Mansion は豪邸ではなく、単なる集合住宅を指します。
読む順は「Flat 5, 12/F, Block C, Ocean Estate」=オーシャン団地C棟12階5号室です。逆から日本語にすると素直に読めます。
地区名も住所の一部として機能します。Kowloon(九龍)、New Territories(新界)、Hong Kong Island は郵便番号の代わりに仕分けを担っているので、省略しないでください。郵便番号が無い分、ここが効きます。Lantau・Tsuen Wan のような地区名まで書けば十分です。
シンガポールのブロック番号とユニット番号
シンガポールの住所で戸惑うのは Blk と # の2つです。
- Blk(Block)
- HDB(公共住宅)や集合住宅の棟番号です。「Blk 123」は123棟。番地とは別物で、通り名の前に置きます。
- #12-34
- ハイフンの前が階、後ろが部屋番号です。12階34号室。日本の「1234号室」とは意味が違うので、そのまま数字を並べないでください。
並べ方は「Blk 123, #12-34, Ang Mo Kio Avenue 3, Singapore 560123」です。
6桁のポストコードは仕分けの中心で、これ単独で建物が特定できるほど精緻に運用されています。番地や通り名より優先度が高いので、絶対に省略・誤記しないでください。逆に言えば、ポストコードとユニット番号さえ正確なら多少の表記ゆれは吸収されます。
コンドミニアム(民間の集合住宅)には Blk が無いことがあり、その場合は建物名を入れます。「#12-34 The Sail, 2 Marina Boulevard, Singapore 018987」のような形です。
送れないもの・止まりやすいもの
住所が正しくても、品目で止まることがあります。両地域でよく引っかかるのは次のものです。
- 香港
- 一般物品の輸入関税は原則かかりませんが、酒(アルコール30%超)・タバコ・炭化水素油には課税されます。電子タバコと加熱式タバコは輸入自体が禁止されています。医薬品は数量に制限があります。
- シンガポール
- チューインガムの輸入が規制されていること(個人使用の一部を除く)が有名ですが、実務でより多いのは電子タバコです。所持・輸入とも禁止されているため送れません。酒・タバコには免税枠がありません。
両地域とも、リチウムイオン電池を含む製品(モバイルバッテリー、電池内蔵の機器)は航空危険物として扱われ、EMS では送れないか制限されます。FedEx・DHL でも事前申告が要ります。
食品を送る場合は、インボイスの内容品欄に「Food」とだけ書かないでください。品名として認められません。「Dried Seaweed (Nori)」のように具体的に書きます。書き方は海外発送の通関申告書の書き方と発送してはいけないものにまとめています。
届かない・返送されたときの流れ
香港・シンガポール宛てで不達になる原因は、ほぼ次の3つに絞られます。
- 1階・部屋番号の欠落:最も多い原因です。香港の高層住宅もシンガポールのHDBも、建物までは着いても部屋が分からなければ配達できません。
- 2受取人の電話番号が無い/繋がらない:両地域とも配達前に電話連絡を入れる運用が一般的です。番号が無いと保管期間の経過で返送されます。国番号は香港が +852、シンガポールが +65 です。
- 3通関での保留:内容品の記載が曖昧、または申告額が実際と合わない場合です。
返送された荷物は差出人の住所に戻ります。だからこそ差出人欄の日本の住所を英語で正確に書いておく必要があります。ここが空欄や日本語だけだと、返送すらできず処分されることがあります。
追跡が途中で止まって見えるのは、ほとんどの場合は異常ではありません。国際区間では中継地でのスキャンが省かれるためです。判断の目安は海外発送の追跡番号の見方にまとめています。
配送方法・関税
料金重視ならEMS(日本郵便)、追跡・スピードを重視するならFedEx・DHLが選択肢です。香港は自由港のため一般物品の輸入関税は原則かかりませんが、酒・タバコなど一部品目は課税対象です。シンガポールは物品サービス税(GST)が輸入品に課され、少額品の免税基準も近年見直されています。いずれもインボイスに内容品と実際の金額を正確に記入しましょう。インボイスの書き方はコマーシャルインボイスの住所・英語表記を参照してください。
よくあるミス
- 香港の住所に無理に郵便番号を入れる → 香港に郵便番号は存在しないため空欄でよい。
- シンガポールの6桁ポストコードを省略・誤記する → 仕分けの要なので必須。番地より重要。
- 階・部屋番号(12/F、#12-34)を書かない → 集合住宅では配達不能の原因に。
- 差出人の日本住所を書かない → 返送不能になるため必ず英語で記入。
住所が正しく届かない場合の対処は荷物が届かない時の原因と対処法を参照してください。
GlobalShipsで解決
香港・シンガポール宛ての発送でも、差出人となる日本の住所を正確な英語にしておくことが確実な配送につながります。GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を国際標準の英語表記に自動変換し、番地・市区町村・都道府県・郵便番号に分けてコピーできる無料ツールです。すべてブラウザ内で処理し、住所や氏名をサーバーに送信しません。登録も不要で、EMS・FedEx・DHL・UPSの各フォーマットに対応しています。