海外に荷物を送った、あるいは海外通販で買った。追跡番号をもらったが、サイトに入れても何も出てこない。あるいは「国際交換局から発送」で1週間止まったまま動かない。どちらも問い合わせが多い状況です。ただ、このほとんどは異常ではありません。海外発送の追跡は、国内の宅配便のように細かく更新されないのが前提だからです。ここでは、番号の読み方、どこで追うか、止まっているように見える理由を整理します。
番号の形式で発送方法が分かる
追跡番号は業者ごとに形式が決まっています。番号を見れば、どこで追えばいいかが分かります。
国際郵便(万国郵便連合の形式):アルファベット2文字+数字9桁+国名コード2文字の計13桁です。日本から出したものは末尾が JP になります。
- EE、EA など E で始まる → EMS
- LZ、LA など L で始まる → 国際eパケットや書留扱いの小形包装物
- RR、RA など R で始まる → 書留郵便
- CP、CA など C で始まる → 国際小包
- UA など U で始まる → 保険なし・追跡ありの区分
FedEx:12桁の数字が基本です(サービスによって15桁や20桁の場合もあります)。
DHL:10桁の数字です(Expressの場合)。
UPS:「1Z」で始まる18文字です。
ヤマト運輸の国際宅急便:伝票番号は12桁の数字です。
形式が分かれば、どのサイトに入れるかで迷いません。逆に、形式に合わない番号を入れても永久に何も出ません。桁数が合っているかをまず確認してください。
どのサイトで追うか
国際郵便は、日本を出るまでが日本郵便、相手国に入ってからが相手国の郵便事業者、という分担になっています。片方のサイトだけでは全体が見えないことがあります。
日本郵便の追跡(個別番号検索):日本国内の引受から国際交換局の発送まで、そして相手国から届く情報が反映されます。相手国側の情報が薄い場合は、これだけでは不十分です。
あて先国の郵便サイト:アメリカならUSPS、イギリスならRoyal Mail、というように相手国のサイトに同じ番号を入れると、日本郵便側には出ていない現地の配達状況が見えることがあります。届く直前の情報は、相手国側のほうが早く更新されます。
横断検索サービス:複数の事業者をまとめて検索できるサイトもあります。便利ですが、情報源は各社のデータなので、大元より速くなることはありません。
国際宅配便(FedEx・DHL・UPS):自社で一貫輸送するため、各社のサイトだけで最初から最後まで追えます。更新の粒度も国際郵便より細かいです。
注意点が1つあります。海外通販で買った荷物の追跡番号は、販売者が使った発送方法によって追い先が変わります。中国系の通販サイトなどでは、現地業者の番号と国際区間の番号が別で、途中で番号が切り替わることがあります。この場合、最初の番号は現地を出た時点で止まります。止まったのではなく、番号の役目が終わっただけです。
発送したのに「データがありません」と出る
発送直後にこの表示が出るのは正常です。理由は次のとおりです。
引受のスキャンが登録されるまでの時間差:窓口やコンビニで預けた時点では、まだシステムに反映されていません。荷物が集約拠点に運ばれ、そこで読み取られたときに初めて記録が付きます。数時間から翌日かかります。
発送通知が先に出るケース:通販サイトが「発送しました」とメールを送る時点では、ラベルを発行しただけで、まだ荷物を渡していないことがよくあります。この場合、実際の引受は数日後です。
番号の入力ミス:桁数や英字の大文字小文字、スペースの混入を確認してください。O(オー)と0(ゼロ)、I(アイ)と1(イチ)の取り違えも多いです。
判断の目安として、発送から2営業日たっても何も表示されないなら、発送元に「実際に引き受けられたか」を確認してください。反映の遅れではなく、まだ渡されていない可能性のほうが高いです。
輸送中に更新が止まる3つの区間
追跡が動かないと不安になりますが、海外発送ではスキャンが発生しない区間があります。以下は止まって見えても正常な場面です。
1つ目は、国際交換局から出発したあとです。「国際交換局から発送」の記録が付いたあと、航空機に搭載され、相手国の交換局に到着するまで新しい記録は付きません。直行便のある国なら数日ですが、便数の少ない地域や貨物スペースの混雑時は1週間以上かかることがあります。航空便の枠が取れずに空港で待機する状態も、追跡上は何も表示されません。
2つ目は、相手国の通関です。「通関手続中」「Customs clearance processing」といった記録が付いたまま止まることがあります。内容品の確認、税額の決定、書類の不備の照会などが行われている区間で、数日から2週間程度かかることは珍しくありません。年末やセール時期は特に長くなります。
3つ目は、相手国の郵便事業者に引き渡されたあとです。国によって追跡の更新頻度が大きく違い、配達完了まで一切記録が付かない国もあります。日本の宅配便の感覚とはまったく違うと考えてください。
この3つに当てはまるなら、待つのが基本です。国際郵便の調査請求は、発送からあて先国ごとの標準日数を過ぎてから受け付けられます。すぐ動いても手続きができません。
英語のステータスの意味
相手国のサイトを見ると英語表記になります。よく出るものを整理します。
- Acceptance / Posting / Item accepted → 引受。発送元で受け付けられた
- Processed through facility / Arrived at sort facility → 仕分け拠点を通過
- Departed / Dispatched from outward office of exchange → 国際交換局から発送。日本を出た
- Arrived at inward office of exchange → 相手国の交換局に到着
- Customs clearance processing / Held by customs / Import customs → 通関手続中。税関で処理中
- Released from customs → 通関終了
- In transit / In transit to destination → 輸送中。区間の移動中
- Out for delivery → 配達中。その日のうちに配達される見込み
- Delivered → 配達完了
- Attempted delivery / Notice left → 配達を試みたが不在。不在票が残されている
- Available for pickup / Held at post office → 郵便局・営業所での保管中。受取人が取りに行く必要がある
- Returned to sender → 差出人に返送中
- Address unknown / Insufficient address → 宛先不明・住所不備
注意すべきは下から4つです。Available for pickup と Attempted delivery は、受取人が動かないと荷物が返送されます。保管期限は国によって1〜3週間程度で、過ぎると差出人に戻り、往復の送料が無駄になります。相手に連絡して取りに行ってもらってください。
Address unknown / Insufficient address が出た場合は、住所の書き方に問題があります。英語表記の落とし穴は海外発送でよくある住所のミスにまとめました。番地やアパート名の書き方は番地・丁目の英語表記とアパート・マンション名の英語住所を参照してください。
通関で止まっているときにできること
「通関手続中」で長く止まっている場合、状況は3つに分かれます。
単に順番待ち:処理量が多く、順番が来ていないだけです。待つ以外にありません。
書類の不備で照会中:内容品の記載が曖昧、価格の記載がない、必要な証明書が足りない、といった理由で止まります。この場合、受取人あてに税関や配送業者から連絡が来ることがあります。連絡がメールやSMSで来るため、迷惑メールに振り分けられていないか確認してください。
税金の支払い待ち:課税が決まり、受取人の支払いを待っている状態です。国際宅配便は業者が立替えて先に配達することが多いですが、国によっては支払うまで動きません。
差出人の側でできるのは、内容品の申告を正確に書いておくこと(送る前の話です)と、受取人に「連絡が来ていないか確認して」と伝えることです。差出人が相手国の税関に直接問い合わせることはできません。
なお、支払いを求めるメールやSMSを装った詐欺が多い領域でもあります。メール内のリンクから支払わず、追跡番号を公式サイトに自分で入力して状況を確認してください。申告書類の書き方は税関告知書(内容品の申告)の書き方に、課税の仕組みは海外通販の関税・消費税はいくら?にまとめています。
いつ調査を依頼するか
待っても届かない場合の手続きです。
国際郵便の場合:日本郵便に「調査請求」を出します。差出人が出すのが原則です(受取人から出せる場合もあります)。あて先国ごとに標準の送達日数が決まっており、それを過ぎてから受け付けられます。手続きには差出時の控え(引受番号の分かるもの)が必要なので、発送の控えは届くまで捨てないでください。回答までは数週間から数か月かかります。
国際宅配便の場合:各社のカスタマーサービスに連絡します。自社輸送のため調査は早く、数日で状況が分かることが多いです。
補償の請求:紛失や破損が確定した場合、補償の範囲内で請求できます。EMSには一定額までの損害賠償が付き、追加もできます。書留なしの小形包装物には補償がありません。安く送った場合は補償も無い、というのがこの領域の原則です。
請求には申告した内容品と価格が根拠になります。安く申告していれば、その額しか戻りません。
届かないときの手順は海外発送で荷物が届かないときの対処法に詳しくまとめました。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで日本の住所を英語表記に変換できる無料ツールです。宛先不明による返送を防ぐには、発送前に住所表記を確認しておくのが確実です。差出人欄、通販サイトの配送先欄に写せる形で出力されます。変換はブラウザ内で完結し、入力内容が外部に送信されることはありません。
まとめ
追跡番号は形式で発送方法が分かります。アルファベット2文字+数字9桁+JPの13桁は国際郵便で、頭文字がEならEMS、Lなら国際eパケットや書留扱いの小形包装物です。12桁の数字はFedEx、10桁はDHL、1Zで始まる18文字はUPSです。発送直後に何も出ないのは引受スキャンの時間差で、2営業日過ぎても出ないなら実際にはまだ渡されていない可能性を疑ってください。輸送中に止まって見えるのは、国際線の搭載待ち、相手国の通関、相手国郵便への引き渡し後の3区間で、いずれもスキャンが発生しない区間です。Available for pickup や Attempted delivery が出たときだけは待ってはいけません。保管期限を過ぎると返送されます。調査請求はあて先国の標準日数を過ぎてから受け付けられるので、それまでは発送の控えを保管して待つことになります。