スマートフォン・カメラ・時計などの精密機器やガラス・陶磁器などの壊れ物を海外発送する場合、通常の荷物よりも慎重な梱包と手続きが求められます。本記事では壊れ物の海外発送方法を解説します。
梱包の基本:壊れ物を守る方法
- 1内側の緩衝:エアパッキン(プチプチ)で全面を包む。隙間にクッション材(新聞紙・緩衝ペーパー)を詰める。
- 2二重梱包:商品を個別に梱包した上で、さらに外箱に入れる。
- 3重量バランス:重い物は箱の中央・底に配置し、動かないよう固定する。
- 4外箱の強度:新品か強度が十分な段ボール箱を使用する。古くて弱った段ボールは避ける。
- 5テープで封:H字テープ貼りで底面・上面を補強する。
英語の梱包表示(シール・スタンプ)
壊れ物・取扱注意を示す英語表示:
FRAGILE(壊れ物)→ 赤いシールが一般的 HANDLE WITH CARE(丁寧に取り扱ってください) THIS SIDE UP(天地無用・この面を上に) DO NOT BEND(折り曲げ厳禁)→ 書類・ポスター向け KEEP DRY(水濡れ厳禁)
これらのシールは100円ショップや文房具店で購入できます。
配送業者の保険・補償制度
- EMS(日本郵便)
- 最高2万SDR(約300万円)までの損害賠償あり。損傷・紛失の場合は書面で申請。
- FedEx
- デフォルトで最大$100補償。追加保険(申告価格に応じて)も利用可能。
- DHL
- 最大100ユーロの基本補償。DHL Shipment Insurance(追加料金)で高額商品に対応。
- UPS
- 最大$100の基本補償。追加申告価額保険あり。
高額商品は必ず保険を追加することをおすすめします。
リチウム電池入りの機器は規制対象
カメラ・スマートフォン・ノートPC・ワイヤレスイヤホンなど、リチウムイオン電池を内蔵する機器は航空危険物として扱われ、発送条件が細かく決まっています。
- 機器に内蔵されている状態(機器と一体)
- 多くのサービスで送れますが、EMSでは条件付きです。
- 電池単体・予備電池
- 航空便では原則として送れません。
- 数量・容量の上限
- ワット時定格量(Wh)で上限が決まっており、サービスと相手国で異なります。
inner packaging(電池が動かないよう固定する)、端子の絶縁、外装への表示が求められる場合もあります。条件は改定されるため、発送前に必ず日本郵便または各社の最新の危険物ガイドを確認してください。窓口で「リチウム電池が入っています」と申告すれば、送れるかどうかその場で判定してもらえます。
申告価額と補償額は連動する
見落とされがちですが、税関申告書やインボイスに書いた金額が、そのまま補償の上限になります。10万円のカメラを1万円と申告すると、破損しても1万円までしか補償されません。過少申告は違法であるうえ、自分の損になります。
FedEx・DHL・UPSでは、送り状作成時に「Declared Value for Carriage(運送申告価額)」を入力すると、その額に応じた追加保険料が加算されます。高額品はこの入力を省略しないでください。EMSは保険料込みで最高2万SDRまで補償されますが、請求には破損状況の証拠(写真・現物)と受取人側での申し出が必要です。
破損・不達が起きた場合の手続きは海外発送の荷物が届かないときの対処、申告書の書き方は海外発送の通関申告書の書き方で解説しています。
品目ごとに送れるかどうかの判断は海外に送れないもの一覧で、航空危険物・相手国の検疫・法令の3つに分けて整理しています。
GlobalShipsで英語住所を正確に入力
精密機器の海外発送では送り状の英語住所が不正確だと最悪の場合は返送・紛失のリスクがあります。GlobalShips(globalships.jp)で事前に英語住所を作成し、FedEx・DHL・UPSの発送フォームに正確にコピーして発送手続きを進めましょう。各社の入力欄の違いはFedExDHLの記事で解説しています。