ビザ申請・海外の銀行口座開設・国際的な各種手続きで、住民票に記載された住所や氏名を英語表記で求められることがあります。住民票そのものの公式な英訳が必要なケースもあれば、フォームに英語で住所を入力するだけのケースもあります。本記事では、住民票の住所・氏名を英語表記にする方法と注意点を解説します。
住民票の英訳が必要になる場面
- ①海外ビザ申請
- 在留・滞在資格の証明として住所の英語表記を求められる。
- ②海外の銀行・金融サービス
- 本人確認(KYC)で住所証明書類の英訳を求められる。
- ③国際結婚・各種証明
- 戸籍・住民票の英訳を提出する。
公的機関に提出する場合は、翻訳者の署名入りの正式な英訳が必要なこともあります。一方、オンラインフォームに入力するだけなら、自分で英語表記にすれば足ります。
住所の英語表記ルール
住民票の住所を英語にする際は、日本語と逆順(小さい単位→大きい単位)で書きます。
例:東京都港区港南2丁目16番3号 サンハイツ405号室 → #405 Sun Heights, 2-16-3 Konan, Minato-ku, Tokyo 108-0075, Japan
丁目・番・号はハイフンでつなぎ(2-16-3)、市区町村は-ku/-shi/-cho等を付け、最後にJapanを書きます。
氏名のローマ字表記
氏名はヘボン式ローマ字(パスポート準拠)で表記します。住民票の英訳では、姓・名の順か名・姓の順かを提出先の指示に従って統一します。長音(おおの→Ono/Ohno等)の扱いはパスポートの表記に合わせるのが無難です。詳しくは氏名のローマ字表記ガイドを参照してください。
役所が英語版の住民票を出してくれるのか
結論から言うと、日本の市区町村が発行する住民票は日本語のみです。「英語版の住民票をください」と窓口で頼んでも出てきません。コンビニ交付も同様に日本語だけです。
これは自治体が手を抜いているのではなく、住民基本台帳法に基づく公的証明が日本語で作成されるためです。したがって英訳は「自分または第三者が、日本語の原本から作る」ことになります。提出先が求めているのも、たいていは原本のコピーと英訳をセットにしたものです。
例外として、一部の自治体は外国人住民向けに記載事項をローマ字併記した住民票を出せることがあります。ただしこれは氏名のローマ字表記が住民基本台帳に登録されている場合の話で、日本人住民には原則適用されません。窓口で確認する価値はありますが、あてにして予定を組まないほうが無難です。
現実的な進め方は、①原本を必要部数取る、②英訳を自分で作る、③提出先が翻訳証明を求めるなら証明を付ける、の順です。まず提出先の要件を確認してから原本を取ってください。取り直しになると手数料と時間が二重にかかります。
住民票の記載事項ごとの英訳
英訳を自作する場合、項目名と値の両方を訳します。よく使う対応は次のとおりです。
氏名 → Name(パスポートと同じ綴り) フリガナ → 訳す必要はありません。省略して構いません 生年月日 → Date of Birth(和暦は西暦に直します。昭和60年5月3日 → May 3, 1985) 性別 → Sex(Male / Female) 住所 → Address(逆順・末尾に Japan) 世帯主 → Head of Household 世帯主との続柄 → Relationship to the Head of Household 住民となった年月日 → Date of Registration 前住所 → Previous Address 本籍 → Permanent Domicile(Registered Domicile とする例もあります) 筆頭者 → Head of Family Register 個人番号 → Individual Number(マイナンバー) 発行年月日 → Date of Issue 市区町村長印 → Official Seal of the Mayor
和暦は必ず西暦に直してください。提出先は「Showa 60」を読めません。続柄の一覧(妻・子・父・母など)は住民票の続柄の英訳一覧にまとめています。
マイナンバーは「記載なし」で取る
住民票を請求するとき、窓口で「個人番号(マイナンバー)の記載はどうしますか」と聞かれます。海外の機関や民間企業に提出する目的なら、記載なしを選んでください。
理由は単純で、マイナンバーは法律で利用できる場面が限定されており、海外の機関や民間企業がこれを収集・保管することは想定されていないからです。記載ありの住民票を渡すと、相手はそれを保管する義務も権利も無いまま個人番号を持つことになります。提出後の管理をこちらで追えない以上、最初から載せないのが安全です。
同じ理由で、本籍の記載も提出先が求めていなければ「記載なし」で構いません。必要なのはたいてい氏名・生年月日・住所の3点です。
もし提出先が本籍まで求めているなら、必要なのは住民票ではなく戸籍謄本の可能性があります。国際結婚や相続で家族関係の証明を求められている場合は特にそうです。判断は戸籍謄本を英訳する方法にまとめています。
翻訳証明が必要なときの3つの経路
提出先が「certified translation」「公証された英訳」を求めている場合、自作の英訳では通りません。経路は3つあります。求められているものが違うので、まず提出先の文言を確認してください。
- 1翻訳会社・行政書士の翻訳証明書(Certificate of Translation):翻訳者が「この訳は原本の正確な翻訳である」と署名した書面を英訳に添えます。最も一般的で、海外の大学・銀行・雇用主はこれで足ります。数日と数千円程度です。
- 2公証役場の認証:翻訳者の署名が本人のものであることを公証人が認証します。「notarized translation」を求められたときはこれです。翻訳証明書を持って公証役場へ行きます。
- 3アポスティーユ(Apostille)/領事認証:公文書が本物であることを国が証明する制度です。ハーグ条約加盟国向けは外務省のアポスティーユ、非加盟国向けは外務省の公印確認+その国の領事認証になります。ビザ・永住権・国際結婚の届出で求められることが多く、2〜3週間見ておいてください。
注意点として、アポスティーユが付くのは日本語の原本に対してです。英訳そのものに国の証明が付くわけではありません。原本にアポスティーユを取り、それと英訳+翻訳証明書をセットで提出する形になります。順番を間違えると取り直しになります。
公式な英訳が必要な場合の注意
提出先が「公的な翻訳」を求める場合は、自分の英訳では受理されないことがあります。その場合は行政書士・翻訳会社による翻訳証明付きの英訳を用意します。一方、ビザ申請フォームへの入力など自己申告で足りる場合は、正確なローマ字表記を自分で用意すれば問題ありません。
GlobalShipsで住所を英語に変換
GlobalShips(globalships.jp)は、郵便番号を入力するだけで都道府県・市区町村を英語に自動補完し、住民票の住所を国際標準の英語表記に変換できる無料ツールです。氏名のヘボン式ローマ字にも対応。すべての処理がブラウザ内で完結するため、個人情報を扱う手続きの下準備にも安心して使えます。
まとめ
住民票を英語表記にするときは、①住所は逆順・最後にJapan、②氏名はヘボン式ローマ字、③公的翻訳が必要かを提出先に確認、が要点です。フォーム入力用ならGlobalShipsで正しい英語住所を作れば十分です。
国際結婚や海外での相続で家族関係の証明を求められている場合、必要なのは住民票ではなく戸籍謄本です。本籍地の書き方と認証の流れは戸籍謄本を英訳する方法にまとめています。
海外からの報酬受け取りで提出するW-8BENの住所欄についてはW-8BENの住所の書き方にまとめています。
続柄(世帯主・妻・子)の英訳一覧と、続柄を「世帯主から見た関係」で書く理由は住民票の続柄の英訳一覧にまとめています。